圧迫面接をされて、面接がうまくいかないと感じ落ち込むこともあるでしょう。
普通の面接と違うので、落ちたか受かったかわからない場合も多いと思います。
私が過去30社ほど新卒および中途採用の面接を受け、圧迫面接(に近いものを含め)3社ほど受けたことがあります。
・他社の選考状況や入社可能日を「詳しく」聞かれる
・この後の選考や入社してからの話題が出る
・2次面接、最終面接のアドバイスをされる
しかし、絶対に受かるというフラグは存在しません。
フラグと思えるようなことでも普通に落ちたりするからです。逆に、うまくしゃべれなかったと感じた面接でも、なぜか受かったケースは珍しくありません。
つまり、フラグはあくまで目安にしかならないんです。
ただそうは言っても、目安がわからなければ不安になるのはもっともです。ここでは、合格フラグ、不合格フラグを解説します。
私たちにできることは、抜かりない対策をして面接を受け続けることです。
Contents
圧迫面接とは?

面接官が高圧的な態度をとる面接
圧迫面接とは、面接官が威圧的な態度を取って応募者にプレッシャーをかける面接のことです。
一般的な面接と異なるのは、応募者に対して面接官が意図的に厳しい発言や質問を投げかけるところです。
たとえば、「あなたの経歴ではこの仕事は難しいのでは?」と疑問を投げかけたり、答えにくい質問を立て続けにされることが典型的な例です。
圧迫面接を行う企業は減少している
近年、圧迫面接を実施する企業は少なくなっているようです。
具体的な数は分かりませんが、下記理由から圧迫面接をしにくくなっている企業が増えていることが予測されます。
・企業イメージを損なう可能性があるため(SNSでの拡散の危険性)
・企業のコンプライアンス意識が向上しているため
しかし、それでもあえて圧迫面接をする企業も存在します。
なぜ圧迫面接をするのか

ストレス耐性があるか確認するため
圧迫面接を通じて、応募者が強いプレッシャーに耐えられるかを確認しようとする目的があります。
人間思いがけない場面に遭遇したとき、その人の本性が現れます。仕事の中でもストレスに耐えられず、逃げ出してしまう人もいるでしょう。
・人の命が関わる仕事(医療関係など)
・ストレスの大きい仕事(建設業、サービス業など)
業種や職種によっては、圧迫面接で応募者のストレス耐性を調べる会社も少なくないでしょう。
臨機応変な対応力を確認するため
理不尽な状況に置かれたとき、冷静に対処できるかどうかを見極めるという目的もあります。
職種によっては、想定外の問題が立て続けに起きて振り回されることがあります。その際、臨機応変に対処出来ない人を入れてしまえば大きなトラブルになる可能性もあります。
・顧客と発注先に板挟みになる職業(営業など)
・スピードが要求される職業(コールセンター、オペレーターなど)
圧迫面接では意表を突く質問をすることにより、応募者がどう対応するかを見極めます。応募する職種や業種によっては、面接で対応力を見なければならないこともあります。
応募者の本音を確認するため
圧迫面接では、応募者の本音を引き出すことを目的とする場合もあります。
面接において中途半端な質問をしては、うわべだけで取り繕うことも難しくないでしょう。そこで、あえて厳しい質問をすることによって、応募者の価値観ややる気が見えてきます。
企業側は取り繕った回答ではなく、応募者の本当の考え方や性格を理解する必要があります。
そのためには、圧迫面接が妥当な手段になる場合もあるでしょう。
圧迫面接で何をされる?

否定的な発言をされる
圧迫面接では面接官が厳しい言葉を選び、応募者をムッとさせるような発言をすることがあります。応募者に対して意図的に圧力をかけることで、その対応力やストレス耐性を測る手法です。
「この経験は本当に意味があるのか?」
「キャリアに一貫性がないんじゃない?」
応募者をあえて追い詰める場面を作り出し、実際の業務で同じような状況に遭遇したとき、対処できるかを見極めるための質問です。
このような発言に対して、反論するだけでは不合格になります。ネガティブな感情を表に出さず、自責思考で臨みましょう。
反省すべき点は素直に認め、きちんと理由がある場合は相手が理解しやすいように答えることが求められます。
「なぜ?」「どうして?」を繰り返される
圧迫面接では、応募者に対して「なぜ?」や「どうして?」という質問を繰り返すことがあります。
「なぜ営業を選んだんですか?」
「どうして数ある会社の中から弊社を選んだんですか?」
「この職種にこだわる理由はなんですか?」
しつこいくらいに深掘りされます。応募者の応答力を確かめたり、きちんと一貫した考えを持ってキャリアを歩んでいるかを確かたりする目的があります。
どのような状況でも、自分の考えを筋道立てて説明できるかどうかが問われます。
志望動機や退職理由の矛盾を鋭く突いてくる
面接によって、志望動機や前職を辞めた理由を探ろうとします。
圧迫面接に限りませんが、志望動機と退職理由の一貫性については納得できる理由が必要です。
志望動機「営業としてキャリアを積みたいから志望した」
退職理由「お客様との対人関係に疲れたから退職した」
⇒なら営業職を志望するのはおかしいのでは?
正直、きちんと準備ができていないと答えられません。事前の自己分析の成果が表れる瞬間です。
圧迫面接における合格フラグ4選

面接の時間が長い
圧迫面接で、面接の時間が予定よりも長くなるのは合格フラグかもしれません。
例えば、面接の想定時間を15分、30分超過したにもかかわらず、面接官からの質問が止まないときです。応募者の情報を集めたいという意思表示と考えられます。
興味のない応募者に対して、時間を超過しても質問を投げかけることはしないからです。
面接時間が長いからといって、必ず選考に通過するとは限りません。しかし、面接官は応募者の人柄や情報をしっかり見極めようとしていることが分かります。
面接官がたくさんメモを取っている
面接官が質問をしながら詳細にメモを取っている場合、合格フラグかもしれません。応募者の情報を書き留めようと関心を持っている証拠です。
面接官が書き漏らさないようメモを取っている場合、応募者の回答が合否を分けるポイントになっている可能性があります。
こちらも断定はできませんが、合格フラグになり得るケースです。
圧迫面接自体が合格フラグ
圧迫面接を受けているということ自体、「見込みアリ」と思われている証拠かもしれません。どうでもいい応募者に圧迫面接をしても、面接官の労力と時間が奪われるだけだからです。
「この人よさそうだけど、実務ではどうなのかな??」
「能力は十分だけどストレス耐性に不安があるな…」
特に食品業界やエンタメ業界のような、応募者がお客さんになるような会社では、むやみに圧迫面接をする会社は少ないと考えられます。ネットで悪評を付けられるリスクがあるからです。
つまり、見込みがあるのであえて厳しい質問をしているとも考えられるので、合格フラグの一つといえるでしょう。
会社のいいところアピールをしてくれる
面接の中で、会社の特徴やメリットを積極的にアピールしてくる場合、合格フラグの可能性が高いです。
実際、私も会社のいいところアピールを受けた会社から内定を貰ったことがあります。
圧迫面接では、面接官みずからアピールすることは少ないかもしれません。しかし、逆質問で会社のことを質問したとき、会社のいいところや業界の情報を語ってくれる可能性があります。
面接官が応募者対して魅力を感じていると、こうした話がポロっと出てきます。
ただ、やはり合格フラグを断定することは難しいので「受かったらいいな」くらいに考えておきましょう。
圧迫面接における合格サイン2選

他社の選考状況や入社可能日を「詳しく」聞かれる
面接官が応募者に次の選考に進んでもらいたいとき、他社の選考状況や入社可能日を「詳しく」聞かれます。
「詳しく」というのがポイントです。ただ「他社の選考はどうなっていますか?」や「入社可能日はいつですか?」といった質問を受けただけでは合格フラグ、合格サインとは言えません。
・「他の会社の選考で最終面接に進んでいる会社はありますか?」
・「入社希望日を4月にすることは可能ですか?」
このような質問を受けたときは、面接の途中で「この人にしよう」という判断がされた可能性があります
2次面接、最終面接のアドバイスをされる
次回の面接に向けてアドバイスをもらえたときは、かなり有力な合格サインです。通すかわからない応募者に対して、深い話をする意味がないからです。
・次の面接に誰が出てくるかを教えてくれる
・次回の面接官の役職や人柄をしゃべってくれる
・「熱意をアピールした方がいいですよ」とアドバイスをくれる
面接官からのアドバイスが具体的であるほど、選考通過の可能性は高いといえます。
圧迫面接における不合格フラグ3選

面接時間が極端に短い
面接の時間が非常に短い場合、不合格フラグかもしれません。
時間が余っているにもかかわらず面接を切り上げるというのは、応募者に対してあまり関心がないということです。面接予定時間が1時間なのに、30分未満で終わってしまったり。
圧迫面接では、応募者に対して厳しい質問をすることが一般的ですが、それすらも省略される場合、面接官の興味はすでにないと考えられます。
面接官がメモを取っていない
面接官がメモを取らない場合も不合格フラグの一つです。応募者に対して関心を持っていないことが考えられます。
途中までの受け答えを見て、採用するに値しないと見られてしまっているかもしれません。
通常、面接官は応募者の情報を集めるためにメモを取ります。しかし、まったくメモを取らない場合、選考においてすでに不合格の判断を下している可能性があります。
質問に対する回答を深掘りされない
面接官が応募者の回答を深掘りしない場合、不合格フラグかもしれません。面接では、関心を持たれていれば次々と質問がくるものだからです。
逆に圧迫面接のように厳しい質問や指摘が繰り返されるときは、まだ見込みを持っているからと考えられます。
圧迫面接における不合格サイン

就活を応援される
面接の終わりに応援の言葉をかけられたら、不合格サインかもしれません。
「これからもがんばってください」
「いい企業が見つかるといいですね」
「あなただったら相性のいい企業が見つかりますよ」
私も実際に言われたことがあります。25歳で受けた中途採用面接で、相手は40代くらいでベテランの雰囲気がただよう面接官でした。厳しい質問に上手く答えられず、明らかに不合格の雰囲気でした。
面接が終わりエレベーターに向かう途中で、「会社は合う合わないがあるからね。落ちても落ち込むことはないよ。」と励ましの言葉を言われました。
当然面接は落ちましたが、当時アドバイスをいただけたことが嬉しかった記憶があります。
励まされるのは、面接官から見たらすでに他人事となっている証拠と取れます。不合格サインだと思われます。
他社の選考状況を一切聞かれない
選考状況の質問がない場合、面接官がすでに見送りを決めている不合格サインである可能性があります。
面接では、応募者の選考状況やスケジュールを聞かれないことはほぼありません。企業側も内定を出すタイミングを調整しなければならないからです。
選考状況はどの面接でも聞かれる項目なので、不合格確率の非常に高いサインであると考えられます。
ただ、なぜか受かったということあり得るので、合否通知を受けるまでは分かりません。
圧迫面接への対処法

イライラの感情を表に出さない
圧迫面接ではどんな厳しい言葉が飛んできても、感情的にならずに対応する必要があります。
感情を表に出してしまうと、面接官にネガティブな印象が伝わり「適正がない」と判断されてしまいます。
圧迫面接では、自分がどれだけストレス耐性を持っているかを示すことが求められます。
可能な限り前向きな、ポジティブな返答を心がけましょう。
例:「うちの会社に入ってもすぐに辞めそうだね」
⇒「私は3年以内離職率80%の会社で5年働き続けたガッツがあります。多少叱られたくらいでは辞めません!」
面接官は「あえて圧迫面接している」と考える
圧迫面接の際、面接官は意図的に応募者にプレッシャーを与えていると考えましょう。
実際に、応募者のストレス耐性や対応力を見る目的があるからです。(ブラック企業は除く)
圧迫面接というスタイルを選んでいる以上、ネガティブな感情を出さずに乗り切ることが最善の対策です。
圧迫面接は一種の試練と言えます。質問や指摘を冷静に受け止め、前向きな回答を心がけましょう。
感情的に反論しない
圧迫面接の際、面接官に対して感情的に反応することは絶対に避けるべきです。
面接官が厳しい言葉で挑戦的な質問をしてくるときも、冷静に反論をせず論理的に答えることが重要です。
もし答えに自信が持てない場合でも、ネガティブな感情を押し込めて次の質問に対応することが評価につながります。
合わないと思ったら辞退することも考えておく
もし圧迫面接を受けたとき、合わないと思ったら辞退することも選択肢に入れておきましょう。
合格するためには、圧迫面接に対してネガティブな感情を出さないよう耐える必要があります。しかし、絶対に耐えなければいけないわけではありません。
もしかしたら、ものすごくストレスの掛かる会社かもしれませんし、ブラック企業である可能性もあります。したがって、辞退することが最善の選択になることもあります。
特に人格否定や侮辱の言葉を掛けてくるときは、途中でこちらから切り上げることも考えた方がいいです。会社の顔である面接官がそのような態度を取ってくる場合、コンプライアンス意識が著しく欠けている会社であると判断できるからです。
圧迫面接におけるどちらとも言えないフラグ【なぜか受かった】

面接官の態度が悪い
例えば、面接官の態度が悪いと感じる場合、必ずしも不合格を意味するサインではありません。なぜか受かった!という場合もあります。
圧迫面接の面接官は、わざと冷徹な態度を取るものです。そのため、面接官が不快な態度を取ることがあっても、深く考えずに対応することが求められます。
しかし、あまりにも酷い態度が続く場合には、その企業が自分に合っていないと判断する材料になるかもしれません。
私の経験ですが1回目の転職活動の際、企業研究が甘く面接官から呆れられてしまった面接がありました。落ちたものだと思っていましたが、結果は一次面接通過。この時、面接官の態度はあまりあてにならないと感じました。
それから今まで合計20社程の中途採用面接を受けてきました。結論として、やはり面接官の態度は合否に関係ないと感じます。
面接結果の連絡が遅い
面接後の選考結果の連絡が遅い場合でも、合否はのサインにはなりません。1週間後に合格の通知がきたり、選考翌日の通知で不合格だったこともあります。
ただ、基本的に合格の場合は、不合格と比べ通知は早いとされています。
とても待ち遠しい気持ちになりますが、期待しすぎると落ちたときのショックが大きくなります。あまり気にせず就職、転職活動を続けましょう。
通知まで時間が掛かったので落ちたと思い込んでいたら、なぜか受かった!という事も少なくありません。
エレベーターまで見送られる
面接後にエレベーターまで見送られることについては、特に意味はありません。合格フラグにも不合格サインにもならないので、気にしないようにしましょう。
エレベーターまで見送ること自体は、お客さんに対する当たり前のマナーですので、合否には全く関係ありません。
途中で雑談などがあるかもしれませんので、気を抜いて砕けた話をしないようにしましょう。
他社の選考状況、入社可能日を聞かれる
面接の中で、他社の選考状況や入社可能日を聞かれても、この質問自体は合否に関係ありあません。
面接官は、あらかじめ応募者に対する質問を準備しており、他社の選考状況もその中に入ります。入社可能日の交渉など、面接官から具体的なアクションがあった場合を除き、どちらともいえないフラグです。
あまり浮かれていると、なぜか受かったではなく「なぜか落ちた」になります。
圧迫面接に対する準備と心構え
人格を否定しているわけではない
前提として、自分が否定されている訳ではないという心構えを持っておきましょう。
ブラック企業は別ですが、あくまで応募者の適正を厳しく見ているだけです。
温厚な雰囲気で面接を行う会社は数多くあります。たった1社の圧迫面接によって心を折られることはありません。
企業によって面接の雰囲気は天と地ほどの差があるので、ただ会社に合わなかっただけと割り切る事も大切です。
圧迫面接を受けたら辞退するという選択肢もある
もし圧迫面接を受けて自分に合わないと感じた場合、無理に続ける必要はありません。辞退するという選択肢も一つです。
面接は企業側が有利なのでつい萎縮してしまいますが、本来は対等の場です。雇用契約を結ぶまで主従関係は発生していないんですから。
会社によって自分に合う合わないは当然あります。辞退する勇気を持つことも、自分の人生をより良くするために必要な考え方です。
【一人でも可能】イメージトレーニングを行う
圧迫面接に備えるためには、事前にイメージトレーニングを行うことが有効です。一人でもできるのでオススメです。
「あなた、うちの会社に向いてないよ」
「うちじゃ厳しいから止めておいた方がいいよ」
「私たちがあなたを選ぶメリットってある?」
「その希望はウチじゃかなえられない」
実際に面接を受ける前に、厳しい質問にどう答えるかを一人でシミュレーションし、慣れておくことで対策できます。
私は風呂場の中で質問に対する答えを練習していました。実際の面接でも、シミュレーション通りに答えることができました。
まとめ:圧迫面接の合格フラグは参考程度にしかならない

圧迫面接において、さまざまな合格、不合格フラグが感じられることがあります。しかし、フラグはあくまで参考程度に過ぎません。
面接官の態度や面接の内容から推測することはできますが、最終的な合否は通知を受けるまでわからないからです。
推測で気をもむよりも、就職活動に力を入れた方が気がまぎれます。期待しすぎない方が、受かった時の喜びが大きくなります。