仕事をサボる人が身近にいると、どうしてもイライラしてしまいますよね。そのせいで、真面目にやっているあなたが馬鹿を見たり…
あなたは、仕事をサボる人に対してこんなことを思っていませんか?
・仕事ができない正社員の方が給料が良い
・サボる人の尻拭いをしているのに私の給料が上がらない
・イライラする感情をどこにぶつければいいかわからない
・イライラをどうやって収めればいいかわからない
・仕事をサボるあの人をギャフンと言わせたい
しかし、私はあるとき、仕事をサボる人にイライラするだけムダであると気づきました。「サボる人自身の問題であって、自分が解決すべきことではない」とわかったからです。
この考え方を『課題の分離』といいます。
課題の分離を理解すれば、サボる人に気を取られることがなくなります。そして、2度とイライラに悩まされることがなくなります。
課題の分離とは、国内での発行部数300万部、全世界で1100万部を超えた大ベストセラーである、『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』という本で紹介されている考え方です。
・時間とエネルギーの無駄である
・サボる人が改心する可能性はまずない
・あなた自身を幸せにするためにエネルギーを使うべき
サボる人にイライラして良くなることは一つもありません。
ここでは、私が実践した対策と、なぜ仕事をサボる人にイライラするのか?という理由を解説します。
Contents
仕事をサボる人にイライラしたときの対処法4選【課題の分離】
『課題の分離』を身に付ける
課題の分離とは、アルフレッド・アドラーという精神科医が提唱した心理学、アドラー心理学の考え方です。
一言でいうと、『他人の問題を切り捨てる』ことです。
他人が解決するべき課題に干渉せず、自分が責任を負う必要があることだけに関心を持つ、という考え方です。
なぜかというと、他人の問題への干渉はお互いを不幸にするからです。
今回のテーマの場合、仕事をサボる人に対して余計な感情を抱いたり干渉すべきではありません。
・仕事をサボる人
→「余計なお世話だ!」と気分が悪くなる
・その人に対してイライラする人
→「なんでわかってくれないんだ!」と余計イライラする
仕事をサボる人によって、あなたの仕事が増えたりするなら別です。
しかし、ただ感情的にイライラするだけであれば、それは『仕事をサボっている人の課題』なんです。
あなたには関係ないので、改心してもらう必要はありません。
もしその人が減給や異動になったりしても、『サボる』という選択をした結果に過ぎないからです。
自分に影響しないなら気にしない
今回のテーマに課題の分離を当てはめて、『仕事をサボる人を放っておくとどうなるか?』ということを考えてみましょう。
もし、あなたに実害が発生しないなら、それはあなたの課題ではないことになります。
例えば、『仕事をする』という課題について考えてみましょう。
仕事をするという選択によって、結果を引き受けるのは当然『仕事をする人』です。
結果とは、仕事で言えばボーナスアップや昇進のことです。当然本人がメリットを受けることになります。
ということは、『仕事をしない』選択をすれば『仕事をしない人』が結果を引き受けることにもなります。
減給、クビ、仲間外れにされる可能性が考えられます。
しかしそれは、その人が『仕事をしない』選択をしたからです。周りの人の責任ではありません。
大事なのは、同僚が『仕事をしない』ことによってあなたに影響が生じるか?ということです。
あなたの仕事量が増えたり、評価が下がったりするならそれはあなたの課題です。しかし、プラスもマイナスもないのであれば、それは『仕事をサボる人』の課題です。
もしサボる人が、あなたの仕事に直接影響しないのであれば、無理に気にする必要はありません。エネルギーのムダです。
自分の目標を思い出す
仕事をサボる人にイライラし続けるよりも、自分自身の目標に向けて力を注いだ方が絶対に幸せになれます。
そのためには、自分が働く目標をもう一度思い出してみましょう。ここでいう『自分の課題』です。
・週末を全力で楽しむため、今ある仕事を片付けよう!
・車を買うため、仕事を全力で頑張る!
・家族を養うため、会社からの評価を上げて沢山ボーナスをもらう!
・次の転職でキャリアアップするため、今の会社で経験を積む!
サボる人というのは本当に厄介なものです。周りの人のモチベーションまで道連れにして下げてしまうからです。
モチベーションのアリ地獄に巻き込まれないためには、自分自身の目標を強く持つことが欠かせません。
他人に期待しない
他人へ期待しすぎると、逆にあなたが苦しむことになります。
他人が思い通りに動いてくれることはないからです。
課題の分離とは少し違いますが、「人は人、自分は自分」と割り切って考えましょう。おせっかいを焼いて、サボる人を助ける必要はありません。
他人に期待しない思考が身に付くと、気持ちが安定します。サボる人を見ても「ああ、いつも通りだな」としか思わなくなります。
人はそれぞれ育ってきた環境や生き方が違います。
すべて自分の思い通りにはなる方が難しいのです。
サボる人がいるのは当たり前と考える
人間何十人もいたら、絶対に一定数のサボる人はいます。「またか~」と軽く流せるようになると、イライラすることが減ります。どんな職場にもサボる人はいるものです。
また、サボる人がいることによって、隠れたメリットもあります。
相対的にあなたの評価が上がることです。
あなたが普通に仕事をしているだけで、あなたの職場内でのランキングは上がります。サボる人という、低い基準がいるからです。
上司は直接言わないかもしれませんが、サボる人って結構見られています。
もちろん、サボる人が昇進するような、評価制度のおかしい会社は別です。
しかし、ある程度まともな会社なら、サボる人がいて当たり前と考えて、放置していてもいいのではないでしょうか?
サボる人の仕事ぶりを上司に伝える
サボる人の仕事ぶりを事実だけ上司に伝えましょう。実害が出ている場合は対策する必要があります。
・あなたの仕事が増えた
・ミスをあなたのせいにされた
・客先からの評判が下がった
注意したいのは、感情的になったりウソを伝えないことです。
感情が混ざると「誇張してるのかな?」という印象を上司に与えてしまうからです。事実を冷静に報告した方が、説得力が上がります。
問題を放置すると、いつの間にか当たり前になってしまうので、速やかに対策を打つ必要があります。
事実を、冷静に伝えるという2点が大切です。
なぜサボる人にイライラするのか?
不公平感を感じるから
同じ仕事をしているのに、自分は頑張っていてサボる人は何もしない。そりゃ不公平だと感じて当たり前です。
実は「不公平感は運動不足や喫煙よりも悪影響及ぼす」という研究があります。つまり、不公平感でイライラすることは当たり前なんです。
ビジネス書グランプリを受賞したベストセラーの『科学的な適職』という本の中で、こう書かれています。
”良い同僚や上司に恵まれない人は、そうでないグループと比べて平均50%ほど早く死亡する傾向がありました。”
不公平感はただのイライラではなく、健康被害まで及ぼす悪でもあります。
出典:『科学的な適職 4021の研究データが導き出す』鈴木祐、クロスメディア・パブリッシング、2019年
自分の仕事に支障が出ているから
サボる人がいると、その分自分の仕事量が増えることがあります。
自分がやる必要がないのに、サボる人のせいで余計な仕事が生まれたり、計画がうまく進まなかったり…
自分の仕事のペースが乱されストレスにつながるので、イライラの原因になるのです。
サボりを許せないという正義感や義務感を感じているから
職場にサボる人がいてはならないと考えている人は、正義感や義務感からイライラします。
「みんながちゃんと働いているのに、どうしてあの人だけサボるの?」
「あの人は会社の利益を食いつぶしている。辞めさせるべき!」
確かに、その感覚は間違っていません。そう思う人はサボる人によって足を引っ張られ、モチベーションを下げられていると思います。
しかし、もしその正義感を実行したとしてあなたにメリットはあるでしょうか?
気に入らない人が成敗されるスカッと感は得られると思います。ただ、あなたの評価が上がることはありません。
仕事をしない人がいなくなれば、相対的にあなたの評価が下がる可能性があるからです。
周りが有能社員ばかりになれば、あなたは今以上の働きをしなければならなくなります。
同じお給料をもらってるのにサボっているから
「サボってる人も、自分と同じお給料をもらっているなんて納得できない!」と思うと、さらにイライラが募ります。
前述したとおり不公平感はストレスに直結します。会社の評価が不公平な場合は、こう思うのも当然です。
自分より高い給料をもらっているのにサボっているから
もしサボる人が自分と同じどころか、より高い給料をもらっていたら、なおさら許せなくなります。
「なんでそんな人に多くお金を払うの?」と、余計理不尽さを感じるのです。特に、社歴が長いだけの中高年のおじさんたちに多いように感じます。
今の日本では人手不足により若手の賃金は上がりつつありますが、まだまだ抑えられているからです。
年功序列どころか、「年齢序列」になっている会社にもありがちです。
サボる人に上司が気づいていないから
サボりに上司が気づいていないと、上司に対してもイライラすることがあります。
「上司はどうしてあの人のサボりを見抜けないの?」
しかし、上司がすべてを把握することは難しい場合もあります。上司の見ているところでは取りつくろって、いなくなったら手を抜く人もいるからです。
また、私の経験則ですが、サボる人は上司のご機嫌取りがうまい人が多いです。単に上司が、感情的に気に入っているだけの可能性もあります。
サボる人を辞めさせることができないから
サボる人ががなかなかクビにならないので、イライラするかもしれません。
しかし、今の日本ではサボる人を直ちに懲戒解雇すること非常に難しいです。
雇用に関して労働者は、労働契約法でガチガチに守られているからです。
解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはできません(労働契約法第16条)。
サボってるんだから、クビにできるじゃん!と思うかもしれません。しかし、重度の社内規則違反や法令違反がないとクビにはできません。
・犯罪(横領など)
・転勤拒否
・ハラスメント
・14日以上続く無断欠勤 など
裁判を起こされ不当解雇と認められて、1000万円以上の支払いを命じられたという判例もあるそうです。
サボる人は会社にさえきちんと出勤して、大きなミスを起こさなければ解雇されることはほぼないでしょう。
労働契約の終了に関するルール、厚生労働省
サボる人を変えることはできない
数十年の人生の積み重ねの結果だから
サボる人に対して不満や不公平感を感じるのは当たり前です。
しかし、その人はある日突然サボるようになったわけではありません。何十年という人生の積み重ねがあって、サボる習慣が身についてしまっているのです。
その積み重ねを壊して、他人を変えることは不可能と言っていいです。
いろいろな要因があって、『サボる』という結果に落ち着いている
習慣以外に、メリットがあるからというサボるという理由もあります。
いろいろな要因が合わさっているので、「サボるな!」と言ったところでサボることはやめられません。
・サボっても叱られない
・サボっても評価が下がらない
・仕事をしてもサボっても同じ扱い
⇒ならサボった方が得!
サボりという行為は非常に根深い問題なんです。
自分を変えてみる方法
サボる人が気にならなくなるくらい仕事をする
もしかしたら、サボる人にイライラするのは「自分がヒマだから」ではないでしょうか?
やることがない人ほど余計なものが目につきがちです。実は私もそうでした。
自分の仕事に集中すると、自然とサボる人のことが気にならなくなります。
「さっさと仕事を終わらせて、週末は何をしようかな?」
「営業成績を上げてボーナスUPを目指そう!」
というプラス思考で働いた方が絶対に幸せです。
サボる人の評価が悪くなるくらい成果を出す
自分が成果を出し続けることで、相対的にサボる人の評価が下がります。
「コイツは私の下位互換だ」と思うところまで自信を付けられれば、サボる人が自然と目につかなくなります。
イメージとしては視界に入るアリみたいな感じです。どうでもいい存在になります。
結果的に、会社や上司があなたの味方になってくれるでしょう。
サボる人に言ってはいけない言葉
サボる人に対して攻撃するのは避けた方がいいです。ただの憂さ晴らしになってしまう可能性があり、上司の目に付いたら逆にあなたの評価が下がります。
上に書いた対処法で乗り切りましょう。
「またさぼってるの?」
ド直球に伝えてメリットになることは一つもありません。
相手が言い返して来たら喧嘩になるかもしれませんし、余計にイライラすることになります。
「そんなので給料もらえてうらやましいね!」
遠回しなイヤミもNGです。
やはりトラブルになる可能性がありますし、サボる人へのイヤミを考えている間イライラを抱え続けることになります。
「あなたのせいで仕事が進まないんだけど!」
我慢できなくなって本音を伝えることもよくありません。
やはり、相手にとっては攻撃のように聞こえるので、かえってトラブルを招く可能性があります。
上司に事実をチクったら、あとは自分の仕事に集中することをオススメします。サボる人をどうするかは、会社と上司の課題です。
自分の機嫌は自分で取る
自分の機嫌を取れるだけで、人生が明るくなる
サボる人にイライラするのは、自分の気持ちをコントロールできていないからではないでしょうか。
自分がイライラしていると感じたら、自分の機嫌を取る方法を探してみましょう。
・ストレス発生源から離れる
・他人の問題(課題)は切り捨てる
また、仕事の合間にリラックスする時間を作ることも効果的です。
まとめ:イライラするだけ時間とエネルギーの無駄
・時間とエネルギーの無駄である
・サボる人が改心する可能性はゼロに近い
・あなた自身を幸せにするためにエネルギーを使うべき
サボる人にイライラするのは自然なことです。
しかし、その感情で自分が消耗してしまうのはエネルギーの無駄です。
他人は変えられませんが、自分の考え方を変えることはできます。何より自分自身を大切にして、人生を楽しむことに集中しましょう!