上司と喧嘩になりそうだけど、出世に響きそうで怖い!
上司との関係構築はサラリーマンの永遠の課題です。職場で上司と意見がぶつかることは珍しいことではありません。時にはそれが「喧嘩」になってしまうことがあります。
・上司に言い返したい人
・すでに上司と喧嘩をしてしまって、関係が悪化している人
・上司と喧嘩した場合、出世できるのか心配な人
上司と喧嘩になった場合、出世コースから外れる覚悟はしておくべきです。
人事評価には、上司の感情も少なからず反映されるからです。
ドラマのように「上司に喧嘩を挑んで出世する」という話を期待する人もいるかもしれません。しかし現実はそう甘くはないのです。
最悪の場合、退職に追いやられることになるかもしれません。
上司と喧嘩をすることで起こり得る結果について考えてみましょう。
Contents
上司と喧嘩できる人は出世する?
出世のプラスになることはまずない
上司と喧嘩をすることで、もし自分の意見を通せたとしましょう。でも、その先に出世の道が開けることはまずありません。
なぜなら、人事評価には「上司の感情」が大きく影響するからです。
私も上司と喧嘩したことがありますが、評価における「感情」の占める部分は想像以上に大きいと感じました(特に中小企業の場合)。
喧嘩をすることで「逆らう部下」と見なされると、出世コースから外されかねません。仕事のチャンスが自分に回ってこなくなります。結果として、出世が遠のいてしまいます。
場合によっては一目置かれるかもしれない
上司と喧嘩することで、場合によっては一目置かれる可能性もあります。
・仕事への情熱が伝わったとき
・会社の利益を考えて発言したとき
自分の信念を持った発言、会社の利益を考えての発言が原因なら、仕事への熱意が上司に伝わるかもしれません。
しかし、大抵の場合嫌われることの方が多いと思います。
上司の年齢層は、指示について疑問を持つだけでも嫌がる人が多いからです(特に40-50代)。体感80%はいます。
中には、仕事の利益よりも、部下を従わせることを優先する上司も一定数います。いくら建設的な意見でも、反感と捉えられてしまう可能性があるのです。
さしづめ、「部下が命令に従わないと死んでしまう病」を患っているかのようです。
上司と喧嘩できる人が出世しない理由5選
嫌がらせを受ける
感情的になった上司から嫌がらせを受け続ける可能性も否定できません。少なからず意地悪をされます。
・仕事の指示をわざと厳しくする
・評価を下げたりする
・喧嘩をした部下の悪評を言いふらす
コンプライアンス意識の低い上司は、権力を使うことを躊躇しません。
上司が本気で潰そうとしたら、目立った成果や能力がない限り出世は困難です。
また、上司に味方する同僚や他の管理職からも冷たい目で見られることがあります。
最悪辞めさせられる
上司を完全に怒らせてしまうと、最悪の場合退職に追いやられます。
もし、上司にそれほど権力がない場合でも、部長などの権力者へ悪評を流されて、評価を下げられてしまう可能性があります。
評価が下がり続けた結果、待っているのは望まない異動かクビ(追い出し)です。
会社内、部署内での評価が下がる
上司との喧嘩は、会社や部署内での評価にも関わります。
・上司が部下の悪評を会社中に広める
・喧嘩している姿を見た人から、協調性がないと思われる
「上司は立てるのが当たり前」と考える人にとっては、上司と喧嘩する人は反乱分子です。
会社は基本的に上下関係ありきなので、喧嘩するメリットはほとんどありません。
働きにくい環境になる
喧嘩をきっかけに職場の人間関係が悪くなり、働きにくくなる可能性があります。
上司が自分に対して冷たくなったり、職場にいるだけでストレスを感じるようになりかねません。
仕事の連携が取りにくくなれば、思わぬミスが発生したりします。上司との関係が悪くなって得なことはありません。
報連相がしにくくなる
上司と喧嘩をすると、仕事の基本である「報連相」がしにくくなります。
喧嘩した直後に上司に相談できる強メンタルの持ち主なんてそういませんよね?
私も経験がありますが、報連相がしにくくなるとミスやトラブルが増えます。気まずいから…といって、報告を先延ばしにしていたら、会社に損害を出してしまったこともありました。
職場の雰囲気も悪化するので、周囲の業務にも悪影響を与える恐れがあります。
上司と喧嘩した後の対処法
落ち着いてから後日謝罪する
一旦時間を置いてから誠意を込めて謝罪することで、相手に「本気で反省している」と感じてもらうことができます。
即日謝罪しても、相手の聞く準備ができていない場合があります。
また、謝罪することで上司の顔を立てることになります。特に、メンツを重視する人には必ず謝るべきです。「逆らった」という印象をずっと持ち続けるタイプもいるからです。
今後もその職場で働きたいなら、謝罪はきちんと行った方が後々の働きやすさにつながります。
今後も理不尽な命令に屈しない態度を貫く
謝罪をしたとしても、理不尽な要求や指示に全て従う必要はありません。
もし再び変な指示をされそうになったら、遠回しに「嫌である」という態度を伝えるべきです。仕事は断らない人の下に集まる傾向があるからです。
コツは、質問攻めにすることです。
・なぜ私なんですか?
・今日締め切りの仕事があるんですが、それより優先すべきですか?
・その変更は明らかにチームの残業時間が増えますよね?
はっきりと断られなくても質問をされると「頼むのめんどくさいな」という気持ちになってきます。
気まずい関係になっても仕事はきっちりこなす
喧嘩の後は仕事の成果を出すことに集中すべきです。
上司と顔を合わせるのが気まずく感じるかもしれません。しかし、上司に逆らったというレッテルを剥がすには、仕事の成果が必要になります。
結果を出し続けることで、「わがままな部下」から「言うときははっきり言う人」という印象に変えることができます。
成果によっては、昇進して今の上司を部下にすることができるかもしれません。
上司と喧嘩しても出世できる人
上司の上司(部長など)に好かれている人
上司と対立しても、その上の立場の人から好かれている場合はあまり心配が要りません。
ぶっちゃけ会社は、権力者から好かれている限りは安泰です。社内規則はどうあれ、結局罰を与えるかどうかは権力者の裁量次第だからです。
逆に上司に好かれていても、上司の上司に嫌われている場合が問題です。例えば部長に嫌われてしまったら、人事権を行使して異動やクビという手を使われる可能性があります。
だからこそ、権力者(上司の上司)に好かれていることが重要になります。
圧倒的な結果(数字)を出している人
圧倒的な成果を出している場合、上司と喧嘩をしても出世コースから外れる可能性は低くなります。
しかし、ただの優秀では足りません。”誰の目から見ても優秀”でないと意味がないです。本当に怒った上司は、権力を使って潰しに来るかもしれません。
実際に私は4年前、当時の部長に権力を使われて潰されました。他事業部への左遷です。
確かに営業成績はあまり良くなく、守ってくれようとする上司は係長級でした。課長以下で部長に意見を言える人はいなかったので、自分を守る要素はほとんどありませんでした。
当時、営業成績がもし1.5倍でもあったら、数字が後ろ盾になったかもしれません。
ピンチの時ほど仕事の成果が後ろ盾となります。
普通の人は、あら探しをされるとまず間違いなくボロが出るので、上司はそこに付け込んできます。
後で上司に謝れる人
喧嘩をしても、後々上司に謝れる人は大丈夫です。
謝罪して「相手の顔を立てる姿勢」を示せる人は、上司のメンツを潰さないからです。
逆に、仲直りで一緒に飲みにでも行けば、『雨降って地固まる』ということわざ通り、以前より良い関係になれるかもしれません。
上司との喧嘩は相手の顔を潰すことと同義です。
喧嘩が感情的になってしまった場合でも、後から上司に「先ほどは言いすぎました」と素直に謝ろうとする姿勢が、出世を手繰り寄せることになります。
上司と喧嘩できる人の特徴とは
公平性を大切にする人
まず、公平性を大切にする人です。上司の命令が理不尽であったり、全体にとってのマイナスになるとわかったときに、上司に正論をぶつけることを躊躇しません。
「上司の命令は間違っている!」
「上司の命令で不利益を受ける人が大勢いる!」
確かに、理不尽な指示から守ってくれるので、部下からは好かれます。しかし、お偉い方や経営陣からはいい印象を持たれません。
会社というのは、上下関係ありきで成り立っています。積極的に上司に喧嘩を挑むべきではありません。
自分を制御できない人
感情的になりやすく、自分の気持ちをコントロールするのが苦手な人です。
例えば、イライラした感情がどうしても態度や言葉に出てしまう場合、上司によっては「なんだその態度は!」と、指示に従うまで説教をするタイプもいます。
売り言葉に買い言葉で、「イラッ」で済むことが喧嘩に発展したりします。
自己中心的な人
自分の考えや意見を最優先にする人も、上司と喧嘩を起こしやすい傾向があります。
「自分が間違っているかも…」ということは全く考えずに、「自分が正しい」と思い込むことが多いタイプです。
上司の指示に納得せずに反発することが多いので、結果喧嘩に発展してしまうのです。
この場合、ただのわがままであることがほとんどなので、どの会社でも出世は難しいと思います。
口が悪い人
単純に、言葉選びが下手な人も喧嘩になりやすいです。
・お願いしたことに対し「これお願いしたけど、まだ終わらないんですか?」
・指示されたことに対し「こんなの今日中に終わりませんよ(笑)」
物事をはっきり言うのは時に必要です。しかし、柔らかい言葉を選べばスムーズに伝えられることでも、選ぶ言葉を間違えてしまうと相手を不快にさせます。
失礼な言葉で意見を述べる人は、上司の感情を逆なでします。口が悪い人は、自分では悪気がなくても、その言葉が原因で喧嘩を招いてしまうことがあります。
反抗的な人
権威やルールに対して反発心を持つ人も、上司と喧嘩をしがちです。
「上司だからといって偉そうにされるのは嫌だ」という感情を強く持つタイプです。指示に従うよりも自分のやり方を押し通そうとする傾向があります。
こうした態度は上司にとって扱いにくく、喧嘩が起きやすくなります。
出世に興味がない人
「出世なんてどうでもいい」と思っている人は、上司と喧嘩することに対しての抵抗感が希薄です。
通常、出世を目指す人は上司との関係を大切にします。しかし、出世に興味がない人は、「嫌われても構わないので言いたいことを言う!」というスタンスの人もいます。
上司に対して遠慮なく意見をぶつけることが多いです。
上司との『いい喧嘩』と『悪い喧嘩』の違い
良い喧嘩
いい喧嘩とは、ずばり「建設的な喧嘩」です。意見が対立しても、最終的にお互いがより良い結論を導き出せるような喧嘩。
たとえば、組織の目標達成について、具体的な改善案を提示しながら議論する場合です。
一時的に上司と衝突したとしても、会社のことを考えているという姿勢が伝われば、プラスとしてとらえられる場面もあります。会社や組織のことを考えての意見はとても重要です。
悪い喧嘩
悪い喧嘩とは、非難が目的の喧嘩です。
お互いの欠点を責めるだけの喧嘩は、ただの感情的な対立に終わります。エネルギーのムダであり、何の成果も生みません。
それどころか、周囲の人たちとの信頼関係を壊し、評価を大きく下げる原因となります。
根拠が乏しい主張や、感情をぶつけるだけの喧嘩は何の解決にもなりません。上司どころか、同僚や経営者からの評価も悪化します。
上司との喧嘩で謝りたくなくても謝るべき理由
減給、ボーナスカットを避けるため
上司との関係が悪化したままだと人事評価に影響します。
特に、ボーナス直前での喧嘩はボーナスカットに直結します。
月給に関しては、労働基準法に守られているので簡単に下げることはできません。しかし、ボーナスは下げるも上げるも会社の裁量によります。
評価への影響を最小限に抑えるために、時には我慢が必要になります。自分が悪くない場合であってもです。
これからも仕事を教えてもらうため
これからも仕事を教えてもらうために、謝罪はきちんとしておくべきです。
上司は、部下に命令をする立場であると同時にあなたに仕事を教える立場だからです。
喧嘩の後でも良好な関係を保つことで、必要な指導や助言を受けやすくなります。謝罪をすることで、上司からのサポートを引き続き得られる環境を作ることが大切です。
「逆らった」という印象を払拭するため
謝罪をせずになあなあで済ませてしまうと、「あの部下は反抗的だ」というレッテルを貼られてしまう可能性があります。
謝罪をすることで、その印象をある程度は払拭できます。根に持つ上司は一定数いるものです。私の前職では、入社した時の印象を2年以上持ち続ける上司もいました。
今後もその会社で働くつもりであれば、けじめとして謝罪はしておくことをオススメします。
まとめ:上司とは喧嘩をするべきではない
・上司との喧嘩は人事評価に直結するから
・周りの人からもマイナスな印象を持たれるから
・報連相がしにくくなり、トラブルにつながる可能性があるから
上司との喧嘩は、言いたいことを言えるので一時的にはスッキリするかもしれません。しかし、その後の評価に大きな影響を与えます。
もし喧嘩をしてしまっても、謝罪をすることで「関係を改善したい」という前向きな姿勢を示せます。