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イエスマンしかいない会社の末路。無能上司の特徴を掴んで対処しよう

ブラック社員
ブラック社員
イエスマンしかいない会社って、風通しの悪さを生み出す元凶ですよね?
わたし
わたし
イエスマンだけが評価される会社って、将来的にどうなるの?

目上には媚びへつらって部下にだけは強く当たる。一回きりの人生をそんな人のもとで過ごしたいですか?

この記事でわかること

・イエスマンばかりの会社の特徴と対策

・イエスマンばかりの会社がダメな理由

・イエスマンばかりの会社から抜け出すために

イエスマンは、権力者(社長など)に逆らえないという習性があるので、その性質をよく理解して対策しましょう。上司全員がイエスマンの零細企業に勤める、私の体験談を交えてお話します。

イエスマンとは

イエス‐マン【yes-man】 人の言うことに何でも「はい、はい」と言って、無批判に従う人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

会社員で言えば、上司に逆らわない人です。そういう人たちは昇進しやすいので、必然的に自分の上司になる可能性が高いです。

イエスマンの特徴と対策

私は従業員数400人前後の企業から、10人未満の会社まで経験していますが、イエスマンにはある程度共通した特徴があります。そして、その特徴を掴めれば対策することができます

・自分の考えを持たない、出さない

・上司に叱られそうなときは、部下を守らない

・上司を恐れるあまり、過剰な忖度をする

自分の考えを持たない、出さない

自分の持つ考えが権力者と相反する可能性がある場合、自分の考えを表に出さずに最大限権力者意向を汲み取った行動をします。

例えば、イエスマン上司に見積書の承認をお願いするとしましょう。対外的には問題ないように見えても、権力者がNGを出しそうな内容と見られた場合は、NGを出される可能性が高いです。

きちんと理由を説明できなければ叱責のタネになりますので、こちらも上司の考えをくみ取った行動をしましょう。パターンが見えてくれば先読みができます

対策:イエスマン上司が仕える権力者の考えを汲み取って行動しましょう。

上司に叱られそうなときは、部下を守らない

叱られることを一番に嫌うので、部下を守らない人が非常に多いです。

例えば、イエスマン上司の指示間違いでこちらがミスをしてしまった場合、間違いを認めずに誤魔化してくる傾向があります。そういうことが何回も起こりうるので、指示を正確に聞き取りましょう。

「あれ、そんな指示受けたっけな?」という曖昧なところがあれば、あなたが指示を聞いていなかったことにされる可能性があります。

イエスマン上司が間違っていた場合に、自分に非がないことを証明できれば、コイツには誤魔化しが効かないと印象付けられ、けん制することができます。

対策:指示を正確に聞き取り、自分に非がない場合はきちんと主張しましょう。

上司を恐れるあまり、過剰な忖度をする

権力者を恐れるあまり、まったく意味のない指示をされたり、かなり遠回りなことを要求されることがあります。

そうなっては仕事が進まないので、忖度の気配を感じたら権力者に直接考えを聞くというのも手です。しかし、正しい確認ルートではないので、きちんと筋を通して聞くようにしましょう。

「この件、複雑なので私が直接部長に確認してきましょうか?」

というような許可の取り方をすれば、角が立たずにイエスマン上司の手間を省く方法を取っている体裁を保てますので、うまくいくかもしれません。

対策:権力者に直接考えを聞く。

イエスマンばかりの会社がダメな理由

イエスマンばかりが集まる会社は、経営者からは一見スムーズに運営されているように見えます。誰も異を唱えず、社員が自分の言うことに従ってくれているからです。

しかし実際には、長期的に考えるとデメリットしかありません。

社員の人権がなくなり、退職が相次ぐ

イエスマンばかりの会社では、社員の意見や個性が尊重されません。権力者に背くことは、いわばキリストを批判するようなものだからです。「神」(経営者、上司)は絶対であり、その意向に従わないものはすなわち「悪」となります。

このような環境で、意見と感情を押し殺して働く社員は、次第にメンタルをやられて退職や転職を考えます。特に会社を改善する意欲がある前向きな社員ほど不満がたまりやすく、早々に辞めていくのです。

間違った経営判断がまかり通る

イエスマンばかりの会社にとって最大の問題は、リーダーが誤った判断をしても誰も異議を唱えないことです。

時には、会社へ改善の提案をした社員に対して、非常に厳しく叱責し退職に追い込んだりします。イエスマンは会社の体制を変えたくない人たちの集まりだからです。

部品メーカーから仕入れた部品の一部に、ちょっとしたキズがついていました。キズがついていた部分は、機能上影響がある箇所ではなく、本体を守るキャップなので問題はありません

しかし、上司(イエスマン)がそのことを会議で説明したら「全部返品してメーカーに検査させろ!」と社長に叱責されました。

上司は社長に詳しく状況を伝えるということよりも、部品メーカーにクレームを入れるという選択肢を選びました。

結果、部品メーカーとの交渉はこじれにこじれて、二度と取引ができなくなってしまいました

ハラスメントに歯止めがかからなくなる

イエスマンに囲まれると、権力者は次第に「偉ければ部下に何をやってもいい」と考えるようになります。諫めてくれる人がいないため、歯止めがかからなくなった者は、パワハラやモラハラへの躊躇が消えます

例えば、私の3社目の会社は、入社した従業員が1年で90%辞める会社でした。上司はイエスマンで構成されており、社長の指示や意向に対して過剰に忖度する人たちです。社長の発言は、どんな内容でもイエスマンたちによって実行されました。

そんな環境が10年以上続いており、社長はまるで裸の王様です。新人に対しては特に、自分が絶対に正しいという接し方をし、ハラスメントへの躊躇も全くありません。

以下、私の会社の社長(50代後半女性)のハラスメントの代表例です。

「あなたも泣きたいかもしれないけど、本当に泣きたいのは仕事を覚えてくれないこっちなのよ!」(30分間説教を続けた後に出た発言)

「社会人一年目のアマチャンじゃないんだから、それくらい覚えなさい!」(入社1か月目50代女性に対する発言)

「私の言うことを聞かないのはなんで?私の指示を聞きたくないっていうことよね?」(1回しか教わっていない業務でミスをした、入社3か月目の50代女性に対して)

傍から見ると宗教染みている

「会長のご指示なんだから、すぐにやらなきゃダメでしょ!」

「(あらゆることで)社長にご相談してから決めなさい」

とにかく、権力者がイエスマンから「神」のような扱いを受けています。傍から見ていると、とにかく気持ち悪いです。たかが上司と部下、雇用者と被雇用者の関係なのに、イエスマンが祭り上げるおかげで、仕事の関係を超越した存在になっています。

文章にすると面白いかもしれませんが、当事者はたまったものではありません。

自分自身がイエスマンになれば楽になる?

イエスマンの下にいることがつらいなら、いっそのこと自分がイエスマンになれば楽になるかも? 言うまでもなくノーです。

イエスマンになれば少なくとも上司との衝突を避けられ、ストレスが減るように感じるかもしれません。しかし、実際には自己犠牲を強いられ、多大なストレスを受けることになります。

イエスマンはしんどい

私がいる会社のイエスマン上司を見ていて思いますが、とてもしんどそうでした。その人は50代女性で小学生のお子さんがいました。

しかし、「神」から与えられる激務で労働時間も長くなり、繁忙期は起きている子供に会えないそうです。子供が起きる前に出社し、寝た後に帰宅する生活を続けているからです。

他人の都合に振り回されると、精神的にも肉体的にも非常に大きな負担がかかります。自分の意見を抑え込み、上司の言いなりになることは、衝突を防ぐ点では利口なやり方かもしれません。

しかし、一度きりの人生をそんな環境で過ごし続けたいですか?

フラットな人間関係を作ることができない

イエスマンばかりの会社では、上下関係が中心となるため、フラットな人間関係を築くことが難しくなります。社員同士が対等に意見を言い合える環境がなければ、風通しが悪くなることも当たり前です。

忠実な人間は責任を押し付けられる

イエスマンは上司に忠実に従うがゆえに、失敗した際にはその責任を押し付けられることが多くなります。なぜなら、権力者の判断は正しいという前提があるからです。

命令を下したのは社長でも、実務に携わって失敗した者に責任が押し付けられます。

イエスマンばかりの会社から逃げ出すために

労基を活用せよ!

権力者やイエスマン上司からの、理不尽なサビ残、休憩時間の業務指示などが発生する可能性は低くありません。もしあなたが耐えきれないと思ったら、労基を活用しましょう。

大半の会社とっては絶大な効果があります。万が一会社が是正勧告に応じなかったとしても、未払い残業代は3年までさかのぼって請求できますので、利用する価値は大いにあります。

私は別々の会社で2回労基を使わせていただきましたが、2回とも是正勧告に従わせることができました。会社の「神」に逆らえないのであれば、もっと強い「神」(行政)の力を使いましょう。

たまにはノーを突き付ける

勇気を持って「ノー」と言うことも重要です。言うことを聞きすぎると「こいつは逆らわない奴だ」というレッテルを貼られ、イエスマン上司からの要求がエスカレートします。

10回に一度くらいでいいので、キッチリ牽制することも効果的です。

会社への依存度を減らす

最後に、会社への依存度を減らすこともオススメです。転職先を探してみる、副業を始めてみるなど、その会社への金銭的な依存度を減らすことができれば、選択肢が広がり「いつでも辞められる」という精神的な安定を得ることができます。

まとめ

要約

・イエスマンにはある程度共通した特徴がある

・イエスマンばかりの会社は長期的に衰退する

・イエスマンばかりの会社から抜け出すために行動しよう

イエスマンの下で働くのはストレスが溜まります。しかし、イエスマンは生まれるべくして生まれています。権力者がそのような人たちを評価する限り、いなくなることはないのです。過去と他人は変えられませんので、そういう人間だと割り切って考えましょう。

それでも耐えられないようであれば、会社を辞めてリセットするのもアリだと思います。決断するなら正常な判断ができるうちです。