入社祝い金の書いてある求人って魅力的ですよね!でも、怪しい求人なんじゃないか…と不安になる人もいると思います。
入社祝い金は確かに受け取れます。しかし、条件を満たした時のみです。受け取るためにはさまざまな前提が隠されており、即日支給はまずあり得ないです。ここにからくりがひそんでいます。
ここでは入社祝い金をもらうための条件と、そのからくりについて解説します。
私も調べて初めて知りましたが、バイトでももらえるケースがあります。
Contents
入社祝い金について

入社祝い金とは
入社祝い金とは、採用が正式に決まった後に企業から支給されるお金のことです。
求人情報に「入社祝い金〇〇円支給」と書かれているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか?アルバイトでも支給される会社もちらほら見かけます。
この制度は、特に人手が足りていない業界や職種でよく見られます。
一見魅力的な制度に見えるかもしれません。しかし、実はからくりが仕組まれています。
必ずもらえるわけではない
魅力的な入社祝い金ですが、必ずもらえるわけではありません。多くの場合、支給には一定の条件を満たす必要があるからです。
例えば「入社3ヶ月後に支給」という会社があるとしましょう。その場合、2ヶ月で辞めてしまうともらえません。また、
会社によっては、試用期間を終えて正社員として採用されることが条件になっている場合もあります。
また、即日支給と書いてある求人はほぼありません。
求人情報に書かれているからといって、誰でもすぐに入社祝い金をもらえるわけではないのです。
入社特典との違い
入社祝い金と似た言葉に「入社特典」というものがあります。入社祝い金は文字通りお金で支給されるのに対し、入社特典は現物や有給休暇といった、金銭以外の提供がされます。
・寮費無料
・リフレッシュ休暇
・ランチ代補助
このように、金銭以外の現物や福利厚生などで支給されます。
入社祝い金の目的

より多くの応募を集めたいため
入社祝い金が設定される最大の理由は、求人に応募する人を増やすためです。
同じ仕事内容や給与であれば、当然、入社祝い金がある会社のほうが応募者にとって魅力的です。
特に人手が不足している職種では、少しでも魅力的に見せるために入社祝い金制度を導入している求人を多く見かけます。
そのため、企業側は人を集めやすくするために、入社祝い金制度を設定しています。
少しでも長く在籍してほしいため
入社祝い金は、できるだけ長く働いてもらうことも目的の一つです。
支給のタイミングを「入社から3ヶ月後」「半年後」などに設定することで、短期間で辞めることを防ぐ狙いがあります。
もし即日支給にしてしまうとどうなるでしょう?入社祝い金目当てで入った人はすぐに辞めてしまいますよね。
どんな企業でも、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまうことは避けたいはずです。そのため、入社祝い金に条件を付けて、できるだけ定着率を高めようとしています。
入社祝い金のからくり

入社祝い金は基本的に条件付き【即日支給ではない】
入社祝い金の最大のからくりは、条件を満たさないと支給されないことです。
即日支給されるボーナスではありません。ある一定の条件を満たした場合のみ受け取れます。
・一定以上の在籍期間
例:「3ヶ月間在籍後に支給」
・一定以上の出勤率
例:「出勤率が93%以上であること」
・遅刻や早退が少ない
例:「遅刻の回数が月間4回以下であること」
これらは、実際の求人で私が見つけた条件です。
派遣社員の場合、契約更新をしたタイミングで支給されることもあります。そのため、「入社すれば即日支給してもらえる」と思い込んでいると、実際には条件を満たせず受け取れないこともあります。
条件を設定することで、欠勤の多い従業員や在籍期間の短い人に支給する必要がなくなります。まさにからくりですね。
分割支給
もう一つのからくりは、一括ではなく分割支給のケースが多いことです。
中には入社祝い金が30万円以上と高額になるケースもあるため、支給後すぐに辞められないように数ヶ月に渡って渡す会社も多いです。
分割支給の場合、入社祝い金の支給時期は入社後2ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後、12ヵ月後とさまざまです。会社によって分割の金額や期間は異なります。
分割支給の条件を満たさなければ、最終的に全額受け取れないこともあります。このようなからくりを使うことで、長く真面目に従業員にのみ支給されるため、企業にとっては入社祝い金を渡すメリットが生まれるのです。
全額受け取りたい場合は、支給スケジュールをしっかり確認しておくことが大切です。
入社祝い金の支給方法
入社祝い金は会社が直接支給します。以前は、派遣会社や求人サイトを通じて支払われる場合がありました。
しかし、求人サイトなどを使った入社祝い金の支給は、早期離転職などの問題から禁止されました。
職業紹介事業者における入社祝い金規制 2021年4月から
職業紹介事業の許可条件に入社祝い金禁止を追加 2025年1月から
募集情報等提供事業も入社祝い金を禁止 2025年4月から
厚生労働省より、2025年4月1日から新たに遵守すべき事項として、「労働者になろうとする者に、金銭等の提供は好ましくなく、社会通念上相当と認められる程度を超えて、金銭などを提供することを行ってはいけません。」と通知が出ています。
つまり、マイナビやリクナビといった求人サイトや、エージェントサービスから入社祝い金が禁止されたということです。一方で、企業から直接支給される数万円の祝い金は問題ありません。
今まで、入社祝い金について求人サイトを使った、いろいろなからくりが考えられてきました。しかし、いずれ禁止されるかとても少額になると思われます。
入社祝い金を受け取りたいときの注意点

労働条件や職場環境の確認
入社祝い金があるからといって、すぐに応募を決めるのは危険です。
もし入社祝い金に釣られて入社してしまって、実はブラック職場だった!ということも考えられるからです。
・休日が少ない
・労働時間が長い
・ハラスメントが横行している
また、入社祝い金をエサにして、労働環境が過酷な職場へと人を集めようとする会社もあります。
アルバイトならすぐに辞めるという選択肢もありますが、長く働き続けたい人にとっては失敗ができません。
入社祝い金が高額な会社ほど、慎重に判断する必要があります。
支給条件をよく確認
求人情報に「入社祝い金あり」と書かれていても、詳細な条件を確認しておきましょう。
例えば、出勤率が支給条件を下回ってしまったことに気づかず、入社祝い金を受け取れない可能性があるからです。
ほとんどの場合、支給条件は求人票に書いてあります。支給のタイミング、勤務日数の条件、欠勤の扱いなど、細かい規定があるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
また、内定を貰ったら雇用条件通知書を必ずチェックし、疑問があれば採用担当者に確認することが重要です。
信頼性の確認
悪質な企業では、実際に入社祝い金の受給条件を満たしていても支給されないケースがあります。
Yahoo!知恵袋を見ると、「細かい条件を後から提示され、結局もらえなかった」といったトラブルも見られます。
・会社の悪い口コミがないかを確認する
・内定後の雇用条件通知書に記載してもらう
・記載してもらえないなら辞退する
・入社後に支給されなかったら、労働基準監督署に相談する
まずは、事前に企業の口コミや評判をチェックし、信頼できない会社なら応募はやめておきましょう。
入社後、条件を満たしているのにもらえなかった場合は、労基に相談です。
入社祝い金のメリット

金銭的な余裕につながる
入社祝い金をもらえると経済的な余裕につながります。
新しい職場で働き始めるとき、給料が支払われるまでの期間は収入がないため、経済的に苦しくなりがちです。また、引っ越しをすれば20万円~40万円は余分にお金が掛かってしまいます。
入社祝い金が支給されることで、こうした負担を軽減できるため、労働者にとって非常にありがたいです。
モチベーションの向上につながる
入社祝い金があることで、モチベーションの向上につながることもあります。
特に、支給条件が一定期間の継続勤務となっている場合、「あと2ヶ月で20万円もらえる!」と考えれば心の支えになります。
ある程度の期間働くことで職場に慣れるきっかけにもなり、結果的に長く続けることができる可能性も高まります。
入社祝い金のデメリット

即日支給はまずされない
デメリットは、入社祝い金が設定されていても即日支給されるわけではないことです。
多くの企業では、「3ヶ月勤務後」「試用期間終了後」などの条件を設定しています。すぐにお金が必要な人にとっては、期待していた時期にもらえず、計画が狂うこともあるでしょう。
また、企業によっては分割支給となることもあり、一度にまとまった金額が手に入るとは限りません。
入社祝い金だけ重視していると後悔する
入社祝い金に釣られて、勤務条件を確認せずに応募すると後悔するかもしれません。
たとえ入社祝い金を手に入れられたとして、職場環境が悪ければ結局マイナスになりかねません。
また、激務過ぎて入社祝い金をもらえるまで働くことが難しくなる可能性もあります。目先の金額に惑わされず、働きやすい環境かどうかも考慮して判断することが大切です。
入社祝い金をもらうための条件が厳しい場合がある
中には、入社祝い金を受け取るための条件が厳しめに設定されていることがあります。
・「12ヶ月間の継続勤務」
・「3ヶ月続けて皆勤」
このような条件の場合、もし体調を崩してしまえばクリアできなくなる可能性があります。
契約内容をしっかり確認せずに入社すると、「思っていた条件と違った」と後悔することになりかねません。
100万円など高い入社祝い金で応募者を集めて、実際に支払うのはごく一部。ということも不可能ではないのです。
入社祝い金がもらえる時期と相場

入社祝い金がもらえる時期
入社祝い金がもらえる時期は、企業や求人ごとに大きく異なります。原則として即日支給はほぼありません。
・入社から1ヶ月後:比較的早い支給。全額もらえるとは限らない。
・試用期間終了後(3ヶ月後):正社員になるタイミングで支給されるパターン。
・6ヶ月後~1年後:定着率を高めるため。長期間の勤務を条件にしている。
+分割支給:「3ヶ月勤務後に半額、6ヶ月勤務後に残りの半額」といった形で支給する。
入社祝い金のからくりとも言える条件設定ですが、会社によっては1ヵ月や3ヵ月で全額受け取れる場合もあります。
入社祝い金がもらえる相場
入社祝い金の金額は、業種や職種によって異なりますが、一般的な相場は以下のようになっています。
・オフィスワークなど:3万円~10万円
・工場勤務、期間工など:10万円~50万円
・専門職、資格が必要な仕事(看護師・介護士など):10万円~30万円
・建設業、ドライバーなどの人手不足の職種:10万円~40万円
一部では、期間工で入社祝い金100万円の求人もありました。非常に魅力的ですが、100万円もの金額を設定している理由が何かあるはずです。もしかしたら、離職率の高い超ブラック企業かもしれません。
アルバイトでももらえるのか?
入社祝い金は、アルバイトでも支給されるケースがあります。
基本的に正社員や契約社員を対象としていることが多いですが、求人次第です。
金額は期間工などと比べると少なく、5,000円~3万円程度が相場です。また、勤務時間や出勤日数に制限がある場合が多いため、事前に条件をしっかり確認しましょう。
即日支給は、私が調べた限りありませんでした。
入社祝い金がある仕事

期間工【中には100万円の求人も】
期間工は特に入社祝い金が高額なケースが多いです。特に自動車メーカーの期間工では、10万円~50万円程度の入社祝い金が支給されることがあるようです。
企業側としては、短期間でもしっかり働いてくれる人を確保したいため、高額な祝い金を設定しているのです。中には100万円という求人もありました。
一方で、高額だからこそ条件が厳しかったり、全額受給できるまでに期間を要したりする場合もあるので注意が必要です。
工場勤務
工場勤務の仕事も、入社祝い金が用意されていることが多いです。
夜勤や力仕事が多い職場では、入社祝い金が高額な求人が見られます。ただでさえ人手不足の世の中、やはり多少の手当がないと応募者が集まらないのかもれません。
相場は10万円~50万円程度ですが、高額なので勤務条件が厳しい場合もあります。期間工と同じく、100万円近い金額で募集している求人があります。
その他人手不足の職種
その他人手不足の職種でも、入社祝い金が支給される求人があります。
具体的な職種と、入社祝い金の金額を調べてみました。
・保育士(7.5万円)
・タクシー運転手(15万円)
・配送ドライバー(5万円)
・介護士(20万円)
主に、慢性的に人手が足りない職種で設定されています。少しでも多くの人を集めるために入社祝い金が設定されていることがあります。
工場の求人と比べると、若干金額は低い傾向にあります。
まとめ:入社祝い金だけでなく、勤務条件を確認しましょう
入社祝い金は魅力的に見えますが、それだけを理由に仕事を選ぶのは危険です。
即日支給されるわけではなく、支給の条件が厳しかったり、仕事内容が合わなかったりするリスクがあります。
入社祝い金よりも、職場環境や労働条件の方が大切です。長く働ける会社を選ぶために、入社祝い金に惑わされず自分に合った仕事を見つけましょう。