結論:損害賠償はまず請求されない。しかし家族に知られるリスクあり
でも、ばっくれたら損害賠償請求されるかも?
たかがバイトに損害賠償請求するメリットがない
バイト先を刺激しないために、きちんと退職することをオススメ
数百万円レベルの損失が出ている場合はリスクあり
結論として、バイトのばっくれごときで損害賠償請求されるリスクはほぼゼロです。訴訟費用とリターンがまったく釣り合わないからです。
しかし、バイト先に数百万円以上の実損がでている場合は危険かもしれません。
この記事では、実際に起きた事例を紹介しながら、ばっくれが招くリスクについて解説します。
また、正社員として勤務していた場合の対応や、損害賠償を避ける方法についても触れています。
不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。

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仕事をばっくれたことにより損害賠償を受けた事例

プログラマーがばっくれて480万円の損害賠償請求
バイトではありませんが、ばっくれた入社7年目のプログラマーに480万円の損害賠償が認められた事例があります。
あるプログラマーが業務に関する引き継ぎを何ら行うことなく失踪。
その後競合他社に就職したが、もとの会社に連絡を取らなかった。
会社側はこれを受けて、突然のプログラマーの失踪による失注や外注費の損害賠償を求めて訴訟を起こしました。
これは、プログラマーがばっくれたことで約4,500万円の失注が発生したことなどが実損と見られました。
この判例は従業員が起こした行為の悪質さが認められ、480万円の損害賠償請求が認められました。
バイトの例ではありませんが、実損が大きい場合訴えられる可能性があります。
(知財高裁平29.9.13判決)
虚偽の退職理由で引継ぎをせずにばっくれ【契約解除】
虚偽の退職理由を会社に伝え、引継ぎをせずに退職したとされる事例です。
ソフト・ハードウェアの設計会社に勤務していた従業員が、躁うつ病という虚偽の事実をねつ造して退職した。
就業規則に違反して業務の引継ぎをしなかった。
会社は元従業員に対して1,270万円もの損害賠償を請求しました。
かなり大きい額ですよね。。
しかし、元従業員が起こした反訴により、逆に会社側が110万円の支払いを命じられました。
会社側の訴えが棄却され、見事にカウンターを決めた判例です。
(横浜地裁平29.3.30判決)
インテリアデザイン会社の従業員が入社4日でばっくれ
被告(従業員)が会社に入社したところ、入社後4日間出勤したのみで約1か月後にばっくれ(退職)した事例です。
被告が退職した結果、会社は取引先との契約が解除となりました。
少なくとも1,000万円の損害を被ったといいます。
ところが、会社側にも非があったため、元従業員は70万円及び遅延損害金を支払うことを命じられました。
(東京地裁平成4年9月30日)
正社員でないと判例が見つからない
3つの判例を上げましたが、アルバイトに対しての判例は見つかりませんでした。
また、損害賠償請求をされても、会社側の非が認められて減額されるケースも多かったです。
バイトばっくれによる損害賠償請求を避けるために

最低限メールで退職の意向を伝える
辞めたい気持ちがあっても、いきなり連絡を絶つのは避けましょう。
家に来るかもしれませんし、緊急連絡先(家族)に連絡を取られてしまう可能性があります。
直接が難しければ、最悪郵送やメールでも構いません。
退職の意思さえ伝えれば、民法上14日後に辞めることができるからです。
辞める前にあいさつ、謝罪をする【円満退職】
ばっくれたくなっても、できるだけ関係者にあいさつをしてから辞めましょう。
また、勤務先に大きな迷惑をかけていたなら謝罪もしておくべきかもしれません。
ちょっとしたひと手間が、事例のような大きな問題を避けるカギになります。
備品、健康保険証は絶対に返却
制服、名札、健康保険証などの会社からの貸与物は必ず返しましょう。
持ち逃げは、それこそ損害賠償請求になりかねないです。
特にパソコンと言った高価かつ社外秘の情報が含まれているものは、確実に返却しましょう。
バイトをばっくれたらどうなるのか?

まずバイト先から電話が掛かってくる
無断で欠勤すると、まずはバイト先から電話かメールが入ります。
無視してしまうと、バイト先の人が心配して大ごとになるかもしれないので、この時点で「辞めたい」と伝えておくべきです。
・家に様子を見に来る
・緊急連絡先に連絡されてしまう
家に来る可能性は高い
連絡が取れないと、心配して家に来る可能性が高いです。
これは安否確認の意味もあり、当たり前の対応です。
この段階で居留守を使うと、緊急連絡先に連絡されてしまうので、家に来られる前に退職の意思を伝えておくことをオススメします。
緊急連絡先に連絡される可能性が高い【親など】
本人と連絡が取れない場合、次は緊急連絡先に連絡が入ります。
親や兄弟に突然連絡がいきます。
こうなると、家族にも問題が知れ渡ってしまうので、非常に面倒です。
穏便にバイトを辞めたいなら、やはり自分からバイト先に伝えるべきです。
バイトをばっくれたら、損害賠償を請求される?
原則として、バイトばっくれで損害賠償請求されるケースはまずないです。
会社側も反訴(カウンター提訴)されるリスクがある。
ばっくれによる損害を証明することが難しい
訴訟には手間とお金が掛かる
たとえば、300万円の請求をする場合、弁護士費用だけで約80万円かかります。
1,000万円だと約200万円です。
また、損害賠償請求は必ず回収できるわけではないので、会社にとっても見逃した方がメリットが大きいと言えるでしょう。
300万円を超え3,000万円以下を請求する場合
報奨金:5.5%+99,000円 11%+198,000円
参考サイト:弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所
以上のことから、故意による損害が発生していない限り、損害賠償請求をされることはほぼあり得ません。
正社員がばっくれた場合はどうなるのか?
正社員がばっくれた場合は、アルバイトよりも責任が重く見られます。
冒頭に挙げた事例のように、顧客との契約に支障が出たとして損害賠償を請求された例もあります。
しかし、やはり1,000万円以上の大きな損害が出ていない限り、訴えられることはないでしょう。
正社員のばっくれは、法的責任を問われやすい立場にあると理解しておく必要があります。
バイトをばっくれた場合、すでに働いた分の給料はどうなる?

給料は支払われる
たとえばっくれたとしても、それまで働いた分の給料は支払われるのが原則です。
労働契約に基づき、働いた事実があれば報酬は発生します。もし、正当な理由なく支払いを拒否された場合は違法となります。
「辞め方が悪かったから払わない」という理屈は通用しません。
払おうとしないなら労働基準監督署に相談する
もし困っていたら、所轄の労働基準監督署に相談してみましょう。未払いのまま放置されると、泣き寝入りになる可能性があります。
そうしたときは、労働基準監督署へ相談することをおすすめします。予約は不要で、いきなり窓口に行っても大丈夫です。
もし不安なら、混み具合を電話で確認しておきましょう。
無料なので絶対に使うべきです!
就業規則により減給される可能性はある
ばっくれた結果損害が発生したら、就業規則によりペナルティが科される場合があります。
一時的な減給や、出勤日数に応じた調整などです。
ただし、一方的に大きく差し引くことは法律で禁止されています。減給の限度額は「労働基準法第91条」で制限されているのです。
・1回の減給額は平均賃金の1日分の半額を超えないこと
=日給が1万円だった場合は:1回の減給で5,000円以上差し引けない
・1賃金支払期における減給の総額は、その期間中の賃金総額の10分の1を超えないこと
=月給30万円で減給を2回以上受けた場合:その1か月間で3万円を超えて差し引けない。
つまり、減給処分で30%減額するのは明確に違法です。
まとめ:会社に実損が出ていなければ心配ない

損害賠償のリスクが発生するのは、会社に明確な実損が出た場合です。
バイトの無断欠勤程度では、99%損害賠償請求されることはありません。
ただ、腹いせに嫌がらせをされる可能性があるので、ばっくれだけは辞めといた方がいいと思います。

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