“ぶつかりおじさん”に暴行された。朝の9時ごろ、通勤ラッシュで混み合うJR田町駅前でした。”
Xで話題になった、2024年10月21日にJR田町駅で発生した、ぶつかりおじさんによるトラブルのことです。被害者の方は、脳震盪などで全治2週間のけがを負ったとのことです。
遭遇したくないけど、電車通勤でぶつかりおじさんに遭うリスクをゼロにすることはできません。
この記事では、ぶつかりおじさんへの対策を講じていきます。
・ぶつかりおじさんに遭わなくて済む方法
・遭遇した時の被害を最小限に抑える方法
結論から言うと、ぶつかりおじさんを跳ね返すことは絶対NGです。相手に反撃の口実を与えるからです。さらに大きなトラブルを招きます。
攻撃を受けたとき、反撃して発散できれば一時的にはすっきりするでしょう。しかし、それではぶつかりおじさんに遭うたびにイライラしてしまうことになります。
では、ぶつかりおじさんに対してイライラせずに済む方法を、一緒に学んでいきましょう。
通勤のストレスが減るだけで生活の質がめちゃくちゃ上がりますよ!
Contents
ぶつかりおじさんの被害に遭わないためには?
通勤時間帯をずらす
まずは、通勤ピークを外して出勤することをオススメします。職場を変える必要がなく、一番簡単にできる方法だからです。
ピークをずらせば混雑を回避できるので、必然的にぶつかりおじさんに遭遇するリスクを低減できます。
例えば、JR埼京線の場合、最も混雑する時間帯は7:51~8:51の間です。(板橋ー池袋間)
混雑に比例して、ぶつかりおじさんがストレスを受け攻撃的になりますので、この時間帯がもっとも危険といえます。冒頭でお話ししたJR田町駅で起きたトラブルは、実際に8時56分ごろに発生しています。
とはいえ、混雑する時間帯は区間によって変わりますので、一概に何時が一番混むとは言えません。だから、目安として8:00~9:30にターミナル駅を通過する電車は避けると良いでしょう。
国交省の調査を見ても、ターミナル駅に9時前後に着く電車が最も混雑するようです。
参考:資料3:最混雑区間における混雑率(2023)、国土交通省
一駅手前で降りる(利用駅を変える)
しかし、早起きは嫌だ!という人が多いと思います。私もそうです。
ならば、次は利用者数の少ない駅で降りることを勧めます。あなたは、会社の最寄り駅からひとつ隣の駅で降りたことはありますか?
駅によっては、最寄駅から一駅ずらすだけで利用者数が10分の1以下になるからです。
東京メトロのデータを見てみましょう。東京メトロ池袋駅は一日あたり約50万人が利用します。しかし、一駅隣の要町駅の利用者数は4万人弱です。池袋駅の10%以下まで利用者数が減ります。
さらに、池袋駅はJRの利用客も利用するため、それ以上に混むことになります。JR池袋駅は一日あたり49万人が利用するので、駅全体では100万人を軽く超える人数が行き交います。
一方で、要町駅は有楽町線・副都心線しか乗り入れないので、実際には池袋駅の5%ほどまで減ることになります。
※JR池袋駅の利用者数は2023年当時。
駅の広さも異なるので、単純に数字だけで比較はできません。しかし、利用者数が少ないほど、ぶつかりおじさんに遭遇するリスクも減ると考えられます。
もしあなたの職場がそのような穴場駅から近いのであれば、一度降りる駅を変えて試してみるのをお勧めします。歩くことは健康にもいいですので。
参考:駅別乗降人員順位表(2023年度一日平均)、東京メトロ
https://www.tokyometro.jp/corporate/enterprise/passenger_rail/transportation/passengers/index.html
下り電車で通勤する
次にオススメするのは、下り電車で通勤することです。引っ越しや転職が必要になりますので、最後にしました。しかし、手間はかかるものの効果は絶大です。
あなたは、上り電車で通勤するとき、下り電車の車内を見たことがありますか?おそらく、ぱっと見で半分以下の込み具合に見えると思います。
板橋-池袋の区間は私も利用していますが、ピーク時はスーパーの詰め放題セールばりの混雑率です。押して押されて、イライラしている乗客の舌打ちが聞こえてくるときもあります。
さて、すし詰めにされてイライラしているおじさんは次に何をするでしょうか?そう、人にぶつかって、ストレスを発散しようと考える人が出てくるわけです。
つまり、ピーク時の上り電車はぶつかりおじさん製造機なんです。
住む場所や職場を変える必要はありますが、ぶつかりおじさんに遭遇する可能性は激減します。
それに何より、満員電車のストレスからおさらばできることが最大のメリットです。
ぶつかりおじさんの正体
ぶつかりおじさんの風貌
主に、街中や駅構内で通行人にわざとに体当たりをする男性が、ぶつかりおじさんと言われています。Xやニュースサイトでは、40代以降に見られる男性が女性にわざとぶつかったという報告例が多いです。
私は30代男性ですが、JR新宿駅でぶつかられることがしょっちゅうあります。イライラしていそうな中年サラリーマンには近づかないことが吉です。
ぶつかりおじさんの目的
アンケートを取ったり直接本人に聞いたわけではありませんが、ぶつかってくる様子を見てぶつかる理由は下記のようなものではないでしょうか。
・ストレス発散
・イライラを通行人にぶつける
・急いでいる
たまに痴漢目的であるといわれることもありますが、歩きながらターゲットを瞬時に選んで体ごとぶつかりに行くというのは、痴漢というよりストレス発散の目的のほうが近いと思います。
被害を減らすための対策3選
前を見て歩く
被害にあわないためには、自分の方向に歩いてくる男性を見つけられるよう、とにかく前を見て歩くことが大切です。すれ違う直前で0.5人分くらい避けられれば、ほとんどの場合人にぶつかることはありません。
特に、歩きスマホは人を避けにくくなり、その気がなくてもぶつかりやすくなるのでNGです。また、「避けないのが悪い」という口実を与え、ぶつかりおじさんを引き寄せる原因にもなります。
大男の後ろを歩く
ぶつかられることが多いと感じるなら、同じ方向に歩いていく大柄な男性の後ろを歩くようにしましょう。いかにぶつかりおじさんと言えど、体重のありそうな人間にわざわざ向かっていくメリットはありません。
人の流れに乗って歩くことで、ぶつかりリスクをかなり低減できます。新宿駅や上野駅のような、人がごった返すターミナル駅では特に有効なスキルです。
職場(会社)を変える
極端なケースですが、職場環境を変えることも一つの方法です。最寄り駅の利用者が多いほど、人にぶつかられるリスクは高くなります。
もし、本当にぶつかられて嫌だと思うなら、都心から離れた部署に異動届を出したり、いっそのこと転職する選択肢もあります。その場合、実際異動を考えている部署(会社)の最寄り駅の様子を、必ず現地に赴いて確認しましょう。
こちらがイライラしないために
さて、ここまではぶつかりおじさんを回避する方法でしたが、ここからはぶつかりおじさんに対して、自分のメンタルを守る方法をご紹介します。
反撃しようと考えない
もちろん、一時的にイラっとするかもしれませんが、そのストレスを引きずりたくなければ感情的になるのはやめましょう。物理的に跳ね返そうとすることは、相手に反撃の口実を与えてトラブルの火種になるので絶対にNGです。
一説によると瞬間的な怒りは6秒でピークとなり、2時間持続するといいます。しかし、2時間で消えるものを自分で持続させたりしていませんか?例えば、ぶつかられたときに睨む、舌打ちをする、独り言で文句を言うなど。
これらは、五感を使ってイライラを定着させてしまうので逆効果です。睨むは視覚、舌打ちは触覚、独り言は聴覚といったように、怒りを自分の中に刻み込んでしまいます。
学生のころ、英語を勉強するとき声に出して音読していた記憶はありませんか?そう、五感を使うほど、長期的に記憶に染みついてしまうのです。
法的手段を考えない
「訴えてやろうか」とか「通報してやろうか」と考えるのも逆効果です。実際に怪我をしたり、精神的なダメージを受けた場合は、警察に相談し、弁護士に相談することが必要なケースもありますが、言語化することで怒りの感情を持続させてしまいます。
とにかく、よほどのことがない限りは怒りを自分の中にとどめず、消滅するまで頭の片隅に追いやることが大切です。
ぶつかりおじさんというモンスターが生まれる原因
ではなぜ、ぶつかりおじさんという悲しきモンスターが生まれてしまうのでしょうか?
ストレスやフラストレーション
多くの中高年男性は、仕事や家庭という社会的なプレッシャーにさらされています。その結果、ストレスやフラストレーションが蓄積し、それを発散するために他人にぶつかるという行動に出ることも考えられます。
ぶつかることで一時的に、自分の不満を解消しようとするのです。
単純に急いでいる
足早に突っ込んでくるぶつかりおじさんは、単純に急いでいることも多いでしょう。
利用客数の多い駅などでは、自分の思うようなスピードやペースで歩けないものです。しかし、遅刻しそうになっていたりする場合は、人混みをかき分けてまで急ぎたい気持ちが湧くのもしかたないことです。
もちろん、他人の迷惑関係なく突き進んでいい理由にはなりませんが、少なくとも人込みをかき分けられるほどフィジカルが強い人なので、駅を歩く際は注意しましょう。
無意識の行動
一部のぶつかりおじさんは、意図的にではなく無意識に他人にぶつかっていることも考えられます。これは、そもそも人にぶつかることを良いとも悪いとも思っていない行動です。
一切の怒気がないのにぶつかってくる人は、無意識である可能性があります。
社会的孤立感
今の40~50代は、未婚率が急激に上がった時代を経験しており、社会的に孤立状態である方が多いです。いわゆる氷河期世代といい、日本において1990年代から2000年代初頭にかけて、非常に厳しい不況の中で就職活動を行った世代です。
サポートしてくれるパートナーがいない中、仕事のプレッシャーに押しつぶされ、人にぶつかってストレスを発散していく…
想像にすぎませんが、自分が同じ時代に生まれていたら、同じようになっていたかもしれない…と考えると、完全に悪い人ではないと思えてきませんか?(考えすぎでしょうか?)
まとめ
⇒避ける努力をする
⇒反撃しようと考えない
⇒職場(会社)を変える
⇒おじさんの境遇を考える
ぶつかりおじさんは、人混みを歩く以上遭遇する可能性は必ずありますので、自衛を考えることが大切です。ぶつかりおじさんを避け、怒りを溜め込まない方法を紹介してきましたが、最終手段は職場環境を変えることです。
あなたのストレスを少しでも軽くする一助になれば幸いです。