なぜか、仕事ができない人をやたらかばう上司。
時間の無駄なのに、どんなメリットがあってかばうのでしょうか?
ケースバイケースなので、一概にこれが理由!とは言い切れません。しかし、考えられる理由はいくつもあります。
・上司としてのメンツがある
・チームのことを本気で考えている
・その人を気に入っている
・自己保身をしたい
あなたの職場では、どれが当てはまるでしょうか?
上司が仕事ができない部下をかばい続けることは、職場に悪影響を与えることがあります。
上司の対応がかえってマイナスの結果を招く場合もあり、周囲の士気に悪影響を及ぼすことも少なくありません。
仕事ができない人をかばう上司が及ぼす影響
周囲に不公平感が募る
上司が特定の部下をかばい続けると、周りの社員が不公平感を感じます。
不公平な扱いは、社員のやる気を削ぐ原因になり得るからです。
自分のミスが厳しく指摘されるのに、できない人がかばわれているとやる気なくなりますよね。
また、かばわれている人も後ろめたさを感じているかもしれません。仕事ができないのに特別扱いされるのは、普通の人なら気まずいです。
どちらにしても、不公平な扱いは職場の人間関係に溝を生むことになり、チームワークに悪影響を及ぼします。
守り過ぎると部下が育たない
上司がかばい過ぎることで、部下が責任を感じなくなり向上心を持たなくなります。
かばわれることが当たり前になれば、仕事への緊張感を持たなくなるからです。
トラブルに対してどうにかしようと、自分で知恵をふり絞らなければ成長は見込めません。
ミスを指摘されないことで、問題の原因を振り返る機会が失われます。同じ失敗を繰り返す恐れだって出てきます。
その結果、部下が自立することができず、お互いにとって大きな損失となりかねません。
部下に舐められる
仕事をできない人をかばい続けると、上司が舐められることになります。
厳しくできない上司の言うことなんて、怖くありません。威厳がないからです。「どうせ叱られないし、なんとかなる!」と思われたら、部下の統率が取れません。
次第に、指示に従わない、仕事を疎かにするなどの態度を取る人が表れるはずです。
部下から信頼されない上司は、チーム管理でトラブルを抱えやすくなり、他の社員にも悪影響が及ぶ可能性があります。
仕事できない人をかばう上司の心理
自分の評価を守りたい
仕事においての、自分の評価を守るためである可能性があります。
部下のパフォーマンスは、上司自身の評価にも影響を与えるからです。部署の成績が下がれば、責任は必然的に上司が負うことになります。
そのため上司は、仕事のできない部下のミスをかばう行動を取りやすくなります。上司自身の管理能力が疑われるため、可能な限りフォローしたいと考えるのです。
部下の失敗が続くと上司の評価も悪化します。自分の評価を下げないように努めている行動なのです。
部下のメンツを守りたい
人によっては、部下のメンツを守ってあげたいという気持ちのある上司もいます。昔気質の優しい上司に多い気がします。
大きなミスや失敗は、部下にとって自信喪失につながるからです。
上司が部下のミスをフォローすることで、部下が自信喪失しないようサポートしたい。そういう配慮が含まれているのかもしれません。
チームの調和を保ちたい
人間関係を良好に保ちたいタイプの上司もいるでしょう。
職場での人間関係の悪化は、仕事の進行に影響するからです。
部下のミスによって、部署全体に迷惑が掛かることもあります。しかし、上司によっては個人の失敗に焦点を当て過ぎず、チームの良好な雰囲気を保ちたいと考える人もいます。
私の経験則ですが、個人の失敗に焦点を当て過ぎると、部下は萎縮して最小限の仕事しかしなくなります。
チームの成功を自分の評価にしたい
一部の上司は、チームの成功によって自分の評価を上げようと考える人もいます。
チームの成績が上司の評価に直結する組織もあるからです。
たとえ部下にミスがあっても、大きなトラブルにならないように気を配ります。補い合いながら成果を出すことを重視しているのです。
失敗を通じて部下に勉強させたい
上司の中には、部下の失敗を学びとしてとらえ、勉強の機会としてくれる人がいます。
頭ごなしに叱ってもあまり意味はないと考えるからです。
失敗を過度に責めずに、部下自身が何を学び取れるかを重視します。同じミスを繰り返さないように、成長の場を提供するのです。
この考え方は、部下育成に力を入れている上司に多い特徴です。
自己保身をしたい
場合によっては、上司自身の保身が理由で部下をかばうこともあります。
上司が部下を適切に指導しなければ、上司自身の管理能力が疑われるからです。また、人のミスが許せない人にも多いタイプです。
自分がトラブルに見舞われるのを避けるために、すぐに自分からフォローに入ります。しかし、だからと言って部下を気遣っているわけではありません。
自己保身の行動は周りにすぐにバレるので、人望が少ない上司にありがちでもあります。
なぜ上司は仕事ができない部下をかばうのか?
上司が仕事の出来ない部下をかばう理由は、単純に「部下を甘やかしている」という一言では片付けられません。
部下の失敗が自分の評価に影響するから
部下のミスや失敗は、上司の管理能力の評価にも影響するからです。
そのため、上司は自分の評価を守るために、仕事ができない人をフォローします。問題を目立たせないようにするのです。
かばうことで自分の立場を守ろうとする心理が働いているのです。
企業風土や文化があるから
一部の職場には、過度に失敗を責めない文化があります。
「ミスをした個人」ではなく「ミスが起きる環境」に注目し、次にどうすればミスを防げるのか?を部下と考えます。
長期的な視点で育成することが重視される場合、かばうことがプラスになることもあるからです。
企業の文化や風土が影響し、上司も部下を寛容に扱う方針を取ることがあります。
部下を育てる責任を感じているから
部下を育てる責任を強く感じているからと言う場合もあります。
部下の失敗を見過ごせずにかばうことを選ぶのです。良し悪しは別にして、情熱のある上司にありがちだと思います。
上司にとっては、部下が今は未熟でも、経験を重ねることで成長させようとする人もいます。後の戦力として、活躍する姿を目指してサポートしているのです。
チーム全体の士気を保ちたいから
チームの士気を低下させないように、問題が小さいうちにかばう場合があります。
心配性の上司に多いと思います。部下が心配になってしまい、手を貸さずにいられないタイプです。
失敗を過度に指摘すると、職場の空気が悪くなり、他のメンバーの意欲も低下することがあります。あえてかばって、大きなトラブルを避けるのです。
根本的な問題解決を先送りしたいから
部下のミスに対して、さっさと解決したいからかばうケースです。
例えば、繁忙期では部下に教育をする時間を取れず、かばった方が早いというメリットがあるでしょう。
かばうことで問題解決を先送りし、あえて今は「波風を立てない」方針を取ることもあります。
かばうことで信頼関係を築きたいから
部下との信頼関係を築くために、積極的にフォローに入るときもあります。部下ができ立ての上司に多いでしょうか?
部下が厳しい状況になったときにかばうことで、部下が上司を信頼しやすくなり、将来的に円滑な関係を築こうとしています。
上司のお気に入りだから
時には、上司が個人的にお気に入りの部下をかばう場合もあります。
ただのえこひいきなので、他の同僚から見ると不公平に感じられます。異性の上司部下の関係で多く見られます。
八方美人だから
八方美人な上司は、あらゆる人に良い顔をしようとする傾向があります。
部下のミスや失敗に対して、甘い人が多いです。嫌われることが嫌いだからです。
波風立てず無難にやり過ごそうとするため、部下をかばい続けることがあります。
過去の自分と重ね合わせているから
上司自身もかつて、同じようなミスを経験したことがあるからかもれません。
当時の自分と重ね合わせて、かばいたくなることもあるのでしょう。部下に同じような目に合わせないために、積極的にフォローに入るときもあります。
かばう特別な理由があるから
上司にとって、特別な理由がある場合もあります。
例えば、上司の上司から注意されて、もっと部下の面倒を見るように言われた場合などです。
部署内での人員が不足しており、部下の育成が急務であるなど、他者には見えない理由でかばうこともあります。
かばった方が仕事もうまく回るから
時にはあえて、かばい続けた方が業務が円滑に進むこともあります。基本的に、上司がフォローに入った方が早く解決するからです。
現状の体制で業務を進めるために、短期的にかばうことを選ぶこともあります。
まとめ:単純に部下を甘やかしているというわけではない。
・上司としてのメンツがある
・チームのことを本気で考えている
・ただのえこひいき
・自己保身
上司が仕事の出来ない人をかばう理由は、単純に「甘やかしている」という一言では片付けられません。
本当にチームのことを考えている場合、一方で自分のことしか考えていない場合でも、仕事のできない人をかばう理由は存在するからです。
あなたの上司はどのタイプでしょうか?