会社ごとに異なる。個々にチェックすべき
2021年12月、就職情報会社のマイナビが、就活生を大学名で線引きしたとも取れるメールを誤送信しました。
大東亜以下という文字が、いわゆる「学歴フィルター」ではないかとネットで大騒ぎになりました。
実際は、学生が学歴により不利になることはない。とのことで落ち着きました。
確かに、マイナビは学歴によって選考を有利にすることはないのかもしれません。
しかし、学歴フィルターは確実にあります。
実際に高学歴しか採用しない企業があるからです。
ただ、学歴フィルターは企業ごとに異なります。
ここでは、学歴フィルターに掛からない42校、学歴フィルターを突破するための方法、
学歴フィルターを避ける確実な方法をお教えします。

目次 [非表示]
学歴フィルターとは

選考の際に落とす基準の一つ
学歴フィルターとは、採用選考において大学名を基準に応募者を絞る方法です。
フィルターに掛けられた応募者は、大学名だけで落選することになります。
マイナビで公開されている情報や就職四季報を見ると、確かに難関大学しか採用実績がない企業が見られます。
ある超有名総合商社の採用大学は、95%以上がGMARCH、関関同立以上です。
採用実績校でだいたいわかる
学歴フィルターを判断するために一番確実なのは、企業の採用実績校を確認することです。
過去に採用された大学の傾向を調べることで、自分が対象となるか判断できるからです。
この情報をもとに、志望企業の選考対策を立てましょう。
中小企業でも普通にある
学歴フィルターは、大手企業だけでなく中小企業でも導入されていることがあります。
それだけでなく、嫌いな大学の出身者は面接で1時間近く罵倒されていたそうです(なぜか面接はした模様)。
たとえ不人気な中小企業でも、経営者の偏見によって判断されることがあります。
「こいつ〇〇大学出身か!優秀だな!」
「俺は●●大学が嫌いなんだ!この大学は──~~!」※実話です。
ESと履歴書がゴミ箱行きにならないように、企業の採用実績はしっかり調べましょう。
学歴フィルターにかからない42の大学一覧

旧帝大【7大学】
旧帝国大学はまず学歴フィルターにかかりません。
北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学、九州大学
日本トップの大学群であり、逆にフィルターに掛ける側の人たちが集まっています。
東京・大阪・名古屋の国立、公立大学【19大学】
東名阪の国公立大学も、学歴フィルターの対象にはまずなりません。
志望する企業の採用実績を確認し、自身の大学が含まれているかを調べましょう。
関東の国公立大学
一橋大学、筑波大学、東京科学大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、東京医科歯科大学、電気通信大学、東京都立大学、東京農工大学
横浜国立大学、横浜市立大学、埼玉大学、千葉大学
関西、名古屋の国公立大学
大阪府立大学、大阪市立大学、大阪外国語大学
奈良女子大学、神戸大学、名古屋市立大学
難関私立(GMARCH、関関同立以上)【16大学】
一般的に学歴が高く見られ始める、GMARCH、関関同立以上もフィルターに掛かりにくいです。
首都圏で、このレベルの大学が採用されない企業ははほとんど見られません。
関東・関西の難関私立大学(GMARCH以上、関関同立)
慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学
学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学
芝浦工業大学、国際基督教大学(ICU)、東京理科大学
関西大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学
具体的に学歴フィルターはどこから?
ずばり、だいたい偏差値が60以上かそれ未満かで大きく変わります。
企業の採用大学を見ても、文系の場合GMARCH未満からフィルターが発生する傾向があります。
理系は若干有利
よく言われますが、就活は理系の方が若干有利です。学歴フィルターも例外ではありません。
第一志望の会社から内定を得られた割合
文系男子:47.2%
理系男子:53.9%
入社意思の最も高い企業から得た内定の満足度
文系男子:51.9%
理系男子:60.3%
出典:マイナビ 2024年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)
希望の企業から内定を得られる割合は、理系の方が若干多いです。
つまり、同じ大学に通っていても理系の方が有利といえます。
文系ならGMARCH及び関関同立
文系なら、学歴フィルターの分岐点はGMARCH以上か、それ未満かです。
学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、関西大、関西学院大、同志社大、立命館大
採用大学実績に、これらの大学が入っていない会社はまずないからです。
学歴フィルターを気にせずに就活できるのは、このレベルからです。
転職時にも学歴フィルターはある?
転職活動においても例外ではなく、学歴フィルターが存在する場合があります。
特に、大手企業や人気企業では、中途採用でも学歴を重視する会社もあります。
企業が学歴フィルターを設定する理由

優秀な学生を採用するため
学歴フィルターが導入される理由の一つは、優秀な学生を採用するためです。
学生時代に一定の成果を残している人間は、やはり企業でも優秀な場合が多いからです。
「学歴フィルターなんてありません」と口では何とでも言えます。
やはり採用実績を見るしかありません。
効率的に選考を進めるため
多くの応募者を足切りすることで効率よく選考を進めるために、学歴フィルターを導入することがあります。
倍率100倍、1000倍の企業が、すべての学生のESに目を通すのは非常に時間が掛かります。
最初から一定のレベル以上の大学に限定することで、時間やコストを大幅に削減できます。
基礎能力を把握するため
企業は、応募者の基礎能力を把握するために、学歴フィルターを導入することがあります。
有名大学を対象とすることで、一定の学力や学習意欲を持つ学生を選考できます。
採用後の教育や研修の効率化が期待できるので、教育の時間&金銭的コストがかかりません。
学歴フィルターで起こる悪い影響

説明会に参加できない
学歴フィルターにより、学生が企業説明会へ参加できないことがあります。
実際に、2015年にX(当時ツイッター)で、学歴フィルターを設けていることがバレた企業がありました。
出身大学を日東駒専で入力すると「満席」と表示されるが、東京大学で入力すると「空席」になる。
みなさんご存じ、〇〇ちょ銀行の就活セミナーの申込でのことでした。
また、「選考の中で会う就活生がMARCH以上しかいなかった」との口コミも見られます。
書類選考で落とされる
学歴フィルターにより、書類選考で不合格となることがあります。
学歴フィルターを掛けられてしまえば、内容に関わらず落選する可能性があります。
どんなに良い内容であっても、です。
まずは、自身の大学が学歴フィルターの対象となっているかを、企業ごとに確認することが重要です。
リクルーターがつかない
リクルーターとは、自分の出身校の就活生をスカウトして、採用につなげる若手社員です。
つまり、リクルーターが高学歴で固められていたら、リクルーターの出身校以外の学生は不利になります。
特に、銀行業界はリクルーターを利用した学生の接触が飛びぬけて多いです。
1位 銀行業界:37.3%
2位 保険業界:17.8%
株式会社ディスコ キャリアリサーチ、2014年9月
学歴フィルターがある企業と業界の特徴

歴史のある企業、大手企業
歴史のある企業や大手企業では、学歴フィルターが比較的多いです。
というのも、採用大学実績に明らかに偏りが見られるからです。
例)
伊藤忠商事の採用実績(2022年度)
…慶應義塾大、早稲田大、大阪大が46.92%を占める
電通の採用実績(2023年度)
…慶應義塾大、早稲田大、東大が60%を占める
出典:大学通信ONLINE(リンク元は削除されています)
人気企業
人気企業では、学歴フィルターを導入している可能性が高いです。
中には300倍を超える倍率の企業もあるからです。
たとえば、20人の応募枠に対して6000人も応募するような企業です。
もし、1人のESを1分でチェックしたとします。すると300分となり、順調に確認しても5時間もかかります。
その手間を省くためにも、学歴フィルターはある意味合理的かもしれません。
学力がないと活躍できない業界
学力がないと活躍できない業界では、学歴フィルターを導入していることがあります。
例えば、設計、開発などの技術職です。
これらの業界では、基礎的な学力や専門知識が求められます。
リクルーターを採用している企業
リクルーターは実質的な学歴フィルターです。
リクルーターはその社員の出身大学から候補者を選ぶからです。
リクルーターを使っている企業に対して、無名大学からエントリーしても、可能性は非常に低いかもしれません。
学歴フィルターが比較的ない企業

応募人数が少ない企業
応募人数が少ない企業では、学歴フィルターの必要性が低くなります。
応募者ときちんと向き合う余裕があるため、大学名でふるいにかける必要がありません。
「とりあえず会ってみるか!」
といって会ってくれることもあります。
中小企業ではこの傾向があります。
ベンチャー企業
ベンチャー企業では学歴フィルターがないこと多いです。
堅実な業界と違い、大学名よりも実力や成長意欲を重視するからです。
ただし、Yahoo!などのメガベンチャーは別です。
しっかりと有名大学生がエントリーしてくるので、難易度はその他大手企業と変わりありません。
リクルーター制度を導入していない企業
リクルーターを導入していない企業は、少なくともその点においては学歴フィルターがありません。
ただし、採用大学実績をきちんと確認して判断しましょう。
昇進したいなら「役員の出身大学」もチェック
役員の出身大学を確認することも重要です。
学歴フィルターではありませんが、出身大学によっては出世コースに乗れない可能性があるからです。
例えば、2014年のフジ・メディア・ホールディングス役員の割合です。
21人中9人と4割強が早稲田大学出身だったんです。
早稲田大学には稲門会という学閥があります。この学閥が昇進に大きな影響を与えることも珍しくありません。
学歴フィルターがあっても選考を突破する方法4選

学歴以外のスキルや経歴でアピールする
実務経験や資格、留学経験などは強い武器になります。
自分にしかない経験を整理し、具体的にアピールしましょう。
企業は学歴以上に、学生時代に何をしたか?を重視している場合もあります。
インターンに参加する
インターンは実質的な選考です。
学歴を超えて自分を直接売り込む絶好の機会です。
インターンを通じて内定を得た例は、探せば山ほどあります。
気になる企業のインターンに積極的に応募してみましょう。
志望企業のOB/OG訪問をする
志望企業の先輩から直接話を聞くことで、選考のヒントを得られます。
逆に学歴フィルターを利用できる立場になれるかもしれないので、積極的にコンタクトを取ることが大切です。
OB/OG訪問は、企業との接点づくりにもつながります。
まずは大学のキャリアセンターなどを活用して探してみましょう。
企業の採用担当者に話を聞く
合同説明会やイベントで、採用担当者と直接話す機会を活用しましょう。
熱意のある学生は、それだけで人事の印象に残るからです。
選考前に企業の方と接点を持つことは、他の応募者との差別化にもつながります。
緊張せず、素直な姿勢でコミュニケーションをとることが大切です。
まとめ:会社ごとに異なる

学歴フィルターは、すべての企業に共通するものではありません。
ある会社もあれば、ない会社もあります。
まずは採用大学実績を調べましょう。
そして、他の学生が経験していない活動をアピールするのです。
