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施工管理は地獄!ブラック現場を辞めたいと思うタイミング

現場監督
現場監督
施工管理が地獄過ぎて辞めたい!

と思っている方って多いですよね。しかし、仕事量が多すぎて休みづらく、周りの方に迷惑が掛かるのが心配で言い出せませんよね…!

この記事のトピック

・施工管理が地獄と言われる理由

・施工管理を辞めるべきタイミング

・施工管理を辞めたいと思わない人の特徴

確かに、施工管理はブラックな職種の代名詞ともいえる職種です。ところが、業務量が多く休日が少ないことで考える時間が奪われるため、なかなか辞める決断がしにくい方も多いと思います。

そこで、この記事にどんな時に施工管理を辞めるべきか?という判断基準をまとめました。あなたが施工管理職を続けるべきか、辞めるべきかの参考材料になると思います。

施工管理が地獄と言われる理由とは?

建築業界ではよく求人で、「地図に残る仕事である」というやりがいを前面に押し出しています。しかし、実態は「地獄」と例えられる場合が多く、特に施工管理(現場監督)がキツイというイメージが持たれています。

なぜこのような印象を持たれているのでしょうか?この記事では、施工管理が「地獄」と言われる理由を掘り下げていきます。

1. 拘束時間が長い

下記スケジュールは、某東証上場企業の採用ページに記載されていたスケジュールです。現在は削除されていますが、元施工管理の私から見ても、実態を噓偽りなく書いています。

施工管理の一日

5:30 起床
7:00 現場到着
8:00 朝礼
8:15~9:00 現場巡回、作業員との施工エリアの打合わせ
10:00~11:30 メーカー打合わせ、予算管理
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 現場巡回
14:00 施工図制作
15:00 翌日作業打合わせ
15:30~ 施工図制作
18:00~18:30 社内打合わせ
18:30~20:00 翌日作業段取り
22:30~ 事務所退出
23:30 帰宅
25:00 就寝

なんと睡眠時間4時間半!確かに、2024年現在は働き方改革関連法の施行により、建設業にも残業規制がされたので、この頃よりマシになっているかもしれません。

しかし、繁忙期は上記スケジュールに近い、またはそれを上回る仕事量になることも現場によっては十分考えられます。特に、工期が迫っている場合やトラブルが発生した時には、長時間の拘束が避けられません。

私はプラントの施工管理でしたが、自分の現場で労働災害や設備災害を発生させてしまった時がありました。客先へ報告書と対策書を提出して、かつ客先が納得しなければ着工の許可が下りないので、0時手前まで残業をしていました。

仕事量も多いですが現場によっては、拘束時間が長いという表現の方が合っているような気がします。典型的ブラックですね。

2. 休日出勤が多い

現場のスケジュールはタイトなことが多く、工期を守るために休日出勤が強いられることも多いです。

また、職人さんから「土曜も現場に出してくれ」とお願いされることもあります。職人の給与形態は日給月給制の場合が多く、現場の日数が増えればお給料がダイレクトに増えるからです。休日出勤は施工管理の宿命ともいえます。

※日給月給制とは

日給月給制とは、1日を計算単位として給料を定め、毎月1回まとめて支払う給与体系です。日給月給制では、日給の積み重ねを給料日にまとめて支払われるため、当然、労働日数が多い月は給料が増え、労働日数が少ない月は給料が減ることになります。

出典:日給月給制とは?~他の給与体系との違い~、株式会社フリーウェイジャパン

また、プラントでは稼働を一斉に止めて、2週間~3週間の期間内に設備を補修する「定期補修工事」という工事があります。非常にタイトなスケジュールで、土日関係なく連日の徹夜も当たり前です。

大手プラントでは、もし工事が遅れた結果稼働が遅れると、一日で億単位の損失が出るそうです。もし工期遅れにより深刻な損害を与えれば、施工会社自体が出入禁止になる可能性がありますので、絶対に遅れさせるわけにはいきません。

働く人間の時間の自由は、工期に比べれば紙切れ同然なので、場合によっては土日でも容赦なく出勤を余儀なくされます。まさに地獄と言われる理由です。

3. ハラスメントが横行している

建設業界では、昔ながらの上下関係が強く残っており、ハラスメントは当たり前のものとして存在します。

私は、新卒の時に現場に配属されて1か月しないうちにこんな雰囲気を感じました。

私
価値観が20年は遅れている…!

・職歴、年齢が基準の絶対的な上下関係

・職人の話題がパチンコ、キャバクラ、風俗

・全室喫煙OKな休憩室

・何十年も同じ働き方が続いている雰囲気

2017年のことなので今は多少は違うかもしれません。しかし、まるで1990年代で時間が止まっているんじゃないかと錯覚するほどの印象でした。つまり、ハラスメントがハラスメントとして認識されない時代の雰囲気です。

具体的には、パワハラが横行しています。

・物を投げつけられる

・殴られるまではいかないが、小突かれる

・胸ぐらをつかまれて説教される

・公衆の前で、上司から罵倒される

・必要以上に長時間にわたり、繰り返し執拗に叱られる

上司や現場所長からの大声の叱責や、高圧的な態度がにより精神的な負担を感じる人も少なくありません。実際に元請の監督さんは、常に切羽詰まって現場を走り回っていたり、ストレスで自宅で倒れたりしている人もいました。

特に、若手に対して非常に厳しく当たる人が多いことが「地獄」と言われる要因の一つです。

4. 業務の範囲が広い

施工管理の仕事は、現場の進行を監督するだけでなく、現場全体を見渡す必要があります。

・見積書作成

・関係部署や他社との調整

・顧客と職人との間の中間管理

・現場での作業立合い

デスクワークと現場の監督を同時に並行するのは不可能で、どうしても現場が終わった時間に書類を片付ける必要があります。施工管理の一日の拘束時間が増える原因でもあります。

5. 責任が重い

施工管理は、工事の品質や安全、そして工期に対して大きな責任を負っています。万が一、トラブルや災害が発生した場合、その責任は現場の責任者である施工管理が負うことになります。

また、他社の人がケガをしたり、顧客の設備を破損させたりなどの問題が起きてしまうと、協力会社との関係にも気を使わなければならず、非常に大きいプレッシャーが掛かります。

6. 体力的にきつい

施工管理の仕事は、現場での作業が多く体力的にも非常にきつい職業です。広い現場を歩き回り、時には高所作業や、人が入れないような狭い場所での作業が必要になることもあります。

また、工事現場は夏は暑く、冬は寒いという過酷な環境であることが多いため、体力的な負担が大きくなりがちです。長時間勤務との相乗効果で疲労が蓄積しやすくなります。

7. 危険と隣り合わせ

現場は常に危険が伴う環境です。重機が動き回り、高所作業や電気設備など、事故のリスクが常に存在します。当たり前ですが、作業員の安全を管理すると同時に自分がケガをしないように気を付けなくてはなりません。

他の仕事だったら心配する必要がないケガでも、施工管理では注意を払う必要があります。

施工管理を辞めるべきタイミング

施工管理のキツさの次は、この仕事を辞めるべきタイミングです。仕事量やストレスに忙殺されると正常な判断ができなくなるので、そうなる前に抜け出す決断をしましょう。

1. 将来の自分の姿が想像できたとき

施工管理を続けていると、日々の仕事に追われる中で「このまま続けていて自分はどうなるんだ?」と不安になることがありませんか?特に、直属の上司は自分の5年後、10年後の姿です。

上司や先輩はどのような働き方をしていますか?あなたがなりたい姿になっていますか?

「絶対にこうはなりたくない!」と思うのであれば、すぐにでもその職場を抜け出すべきです。施工管理は向き不向きがはっきり分かれるので、抜け出せなくなる年齢になる前に判断しましょう。

2. 長時間労働に耐えきれないと感じたとき

現場は長時間労働が避けられない環境が揃っています。夜遅くまで現場にいることや、週末も仕事に追われる生活が続くと、心身ともに疲弊していきます。

その働き方を40代、50代になっても続けたいと思いますか?

若いうちはいいですが、体力勝負の仕事は体を壊したら終わりです。70歳を超えても働き続ける可能性がある社会では、持続可能な働き方が求められます。あなたの将来設計と現状を照らし合わせて考えましょう。

3. 現場の人間関係に耐えられないと思ったとき

現場では、多くの関係者と頻繁にコミュニケーションを取らなければなりません。時には上司や顧客、職人との関係が悪化することもあります。

顧客と職人の板挟みに耐えられない…!

荒っぽい人たちが多すぎて嫌だ!

人間関係に耐えきれないと、非常に大きなストレスが掛かります。最悪、孤立して一人で悩み続けるような状況になりかねません。他人を変えることはできませんので、自分からいなくなる(転職など)ことも手です。

業界と会社が変われば、働く人のタイプは嘘のように変わります。肉体労働系はやはり気性が荒い人が多く、デスクワーク系はおとなしい人が多めです。転職をすることでまた別の悩みが発生するかもしれませんが、施工管理の地獄さを上回る悩みがあると思いますか?

「辞めたい」と感じない人の特徴

一方で、施工管理の仕事においても「辞めたい」と感じることなく働き続けている人もいます。

1. 自分の裁量で現場を回すことにやりがいを感じる人

施工管理は、多くの工程を自分の判断で進める必要があり、その裁量の大きさにやりがいを見出している人もいます。そういう人は、現場でもいつも笑顔で楽しそうに働いています。

確かにストレスも少なくないと思いますが、それを上回る達成感を感じているのかもしれません。

2. 現場でのコミュニケーションを楽しめる人

施工管理では、多くの人々と連携して工事を進めていく必要があります。そのため、コミュニケーションを楽しめる人が、この仕事で強みを発揮します。顧客と仲良くしたり、職人とジョークを交し合ったり… やはり、こういう人も現場ではいつも朗らかです。

3. 休みや終業後の時間を楽しんでいる人

施工管理でも、プライベートの時間を充実させることができている人は、長期的に仕事を続けるモチベーションを保っている印象です。週末や終業後の時間で趣味に打ち込んだり、家族との時間を大切にしている人は、話を聞くと楽しそうにそのことを話してくれます。

現場であれば、終業後は夜遅くなる場合が多いので、夜の街に繰り出している人も多かったです。

4. 地獄を作る側の人

施工管理を続けられている人は、果たしてみんながプラスのモチベーションで働いているのでしょうか?いえ、自分のストレスを他人にぶつけることでバランスを保っている人も少なくないです。つまり、地獄を作る側の人たちです。

工期が遅れたことに対して、顧客が「てめえのせいで現場遅れてんだろうが…」とはっきりと怒りをぶつけてくることも珍しくありません。そのような人たちは、受けたストレスを他人に向けて発散することに躊躇がありません

施工管理に限りませんが、他人でストレスを発散できる人はブラック企業に残りやすい印象です。

まとめ

要約

・長時間労働、ハラスメント、過剰なストレスにより「地獄」と言われる

・辞めるべきタイミングは、自分の価値観にそぐわないと感じたとき

・現場を楽しんでいる人、ストレスをうまく発散できている人は辞めたいと思わない

施工管理で発生している問題は、大阪万博のニュースなどを見る限り、まだまだ解消はされていないようです。街の工事現場の工程表を見ても、やはり土曜日はほぼ確実に作業が入っています。

施工管理はあなたが続けていける仕事ですか?自分の感性を基準に生きていかないと、逃げられない年齢になってからでは手遅れになりますよ!