でも、面と向かって会社に「ラジオ体操なんていらない!」とは言いづらいですよね…!
・ラジオ体操には多くのメリットがあるが、強制されるのはおかしい
・精神的なデメリット、嫌悪感を感じる人も多い
・始業時間前に強制されている場合は労基に通報
なぜラジオ体操をわざわざ朝にさせるのか?という理由を知れば、納得感が得られ、怒りが多少収まるかもれません。ラジオ体操は、有酸素運動とストレッチを兼ねた運動なので、始業時間に行うことで多くのメリットをもたらします。
しかし、デメリットも多いため、やらないほうがいい場合もあります。また、もし始業前に強制されているようであれば、労働基準監督署に通報することを考えてもいいかもしれません。
私は、過去労基にサービス残業の問題で2回通報をしたことがあります。2回とも証拠を揃えていたため、その会社に調査と是正勧告がされました。2回目の通報では、月40時間のサービス残業がゼロになるほどの威力がありました…!
Contents
ラジオ体操を会社でおこなう会社
ラジオ体操を行う会社の種類
主に、肉体労働と関係のある職場で実施していることが多いです。例えば、製造業、建設業でラジオ体操を実施している会社は非常に多いです。また、実際に体を動かす人たちだけでなく、総務や営業などの部署も含めて、全社で行う会社も珍しくありません。
ラジオ体操の効果
ラジオ体操の効果は、下記のように数多くあります。
・血行促進
・ストレッチにより体の柔軟性向上
・毎朝同じ時間に行うことで業務開始のスイッチになる
・集中モードに切り替える
血行促進
血行促進に絞っても多くのメリットがあります。
・肩こり
・疲労
・頭痛
・冷え
・肌荒れ
・むくみ
血行促進だけでも多くのメリットが望めます。しかし、ラジオ体操の効果はこれだけではありません。
ストレッチにより体の柔軟性向上
ラジオ体操にはストレッチ動作もあるので、体の柔軟性が向上しケガをしにくくなります。だからこそ、体を動かす建設業や製造業で行われるのですね!
デスクワークの方はあまり関係ないかもしれませんが、現場作業をする方にとっては身体の動きやすさは作業効率にも影響します。
毎朝同じ時間に行うことで業務開始のスイッチになる
毎日同じことをした後に仕事を開始することで、仕事モードにすぐに切り替えられることが望めます。スポーツ選手のルーティンのようなもので、業務に入る前に毎回同じ行動をして集中力を高めます。
自分だけのルーティンを見つけるのは難しいかもしれませんが、ラジオ体操であれば学生時代に覚えていらっしゃると思いますので簡単にできますね!
集中力モードに切り替える
何もしていない時でも、脳は常に情報を整理しようとアイドリングをしています。この状態をデフォルトオードネットワーク(DMN)といいますが、その状態が続くと、一つのことに集中することが難しくなります。
何かに集中したいときはこのDMNをオフにする必要がります。そこでラジオ体操をおこない、体の動きに脳が集中することで、そのアイドリング状態を切ることができます。仕事に集中するための儀式としての効果も大きいです。
職場の一体感のため
単純に、みんなで一斉にラジオ体操をすることで、職場の一体感を向上させます。例えば、あなたが小学生や中学生だったころを思い出してみてください。
朝礼、授業、運動会の練習など、同じことを同じ時間にさせることが多かったですよね?ところが、結果として友達との交流が増えたり、クラスメイトとしての意識が芽生えたりといったことがあったと思います。
その会社バージョンが、毎朝のラジオ体操なんです。しかし、後述しますが同時にデメリットにもなる理由です。
その他の理由
なんとなく惰性を何年も続けている
「会社創業以来続けているから」「俺が新人の時からやってるから」
といったように、惰性でずっと続けている場合もあります。建設現場や工場の場合、朝の運動をやめることが労働災害に直結するので、続ける明確な理由はありますが、事務職の方はどうでしょう?
目的を忘れて形骸化してしまえば、続ける効果が薄くなってしまいます。しかし、ずっと続いている習慣を断ち切ろうとすれば、そのことで問題起きた場合、やめようという提案をした人に全責任が覆いかぶさります。
いくら”いらない”と思っていても、誰かが意思を持って提案をしない限り、会社のラジオ体操の習慣は断ち切れません。やめさせることはかなり難しいでしょう。
上司や会社の満足感のため
「今日もみんな素直に従ってくれているな!」
社員がみんな命令に従ってくれることで、お偉いさんの満足感が満たされます。古くから続く企業にお勤めの方はわかると思いますが、人に言うことを聞かせることが大好きという人は少なくありません。
私の勤めた会社にいましたが、命令を聞いているうちは優しくしてくれるけど、少しでも反抗の色が見えた途端に、手のひらを返したように冷たくなる部長。
このような上司は、ラジオ体操以前に部下の心を破壊します。もしこのような人が直属の上司になってしまった場合、正常な判断ができるうちに逃げ出すべきです。
ラジオ体操がデメリットになるとき
確かにメリットのあるラジオ体操ですが、当然デメリットもあります。人によっては深刻な問題になるかもしれません。
朝に体を動かしたくない人もいる
「朝はダルくて体を動かしたくない・・・」
というスロースターターの方もいらっしゃるでしょう。メリットの多いラジオ体操でも、そんな人に強制させたら逆効果です。ストレスや嫌悪感が勝ります。
もし、あなたがこのタイプの場合、上司に本音を伝えてみてもいいかもしれません。風通しの良い環境であれば、聞いてもらえる可能性があります。一方で、業務命令で指示されている場合は、あきらめて自分がその職場から逃げることを考えた方がいいです。
強制参加のラジオ体操なんてメリットないし、いらないですよね?
毎朝同じことをするので飽きる
始業前のラジオ体操は、まったく同じ時間に同じ動きをすることになるので、確実に飽きてしまうでしょう。惰性になれば段々と動きが適当になり、効果が半減してしまいます。
一応やってます。というポーズを見せるためならそれでもいいですが、せっかくやるなら効果を実感したい!という方は、毎日ひとつひとつの動きに集中してのびのびと体を動かしましょう。
強制されるのは逆効果
会社に無理強いされている状態ではどうでしょう。命令って強ければ強いほど反抗したくなりますよね?この状態を、心理的リアクタンスと言います。
心理的リアクタンスとは,ある行動を推奨したり,ある行動を抑制したりするコミュニケーションに接触した個人が,そのコミュニケーションに対して反発する傾向を意味する.
引用:「自動車利用抑制コミュニケーションに対する心理的リアクタンスについての理論実証研究」(土木計画学研究・論文集,20 (3),pp. 571-580, 2003.)
たとえば、「宿題やりなさい!」という命令に対して、「やろうと思ってたけどやりたくなくなった」という現象です。人は命令されることに対して、自分の選択の余地がなくなることを嫌います。
そういった意味でも、強制的にラジオ体操をさせられることはデメリットになります。
始業前に強制されるのはおかしい(労基案件!)
また、ラジオ体操が始業の5~10分前に始まる場合、もし会社から参加の指示があればそれは労働時間としてみなされるべきです。もし、無給でやらされているのでしたら、国家権力を使うのも手です。
2019年4月から「働き方改革関連法」が制定され、労働法の違反に対して労働基準監督署の目が非常に厳しくなりました。違反の証拠さえ揃っていれば、通報から1か月前後で会社に調査が入ります。(品川、王子労働基準監督署の場合)
(1)「早出残業」に該当する代表的なケース
基本的に、会社の指示のもとで行なわれる行為をしている時間は、「客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれている」時間と評価できるため、労働時間に含まれます。
早出残業の代表例には、以下のようなものがあります。
業務指示
ラジオ体操、清掃、朝礼
研修参加、学習
制服や作業服の着用
開店準備
出典:「早出残業」として残業代を請求できるケース、できないケース
アディーレ法律事務所 柏支店
労基に訴え出る際は、下記の証拠を用意しましょう。私が実際に労基に相談した際に、担当者から勧められた方法です。私が使ったのは①と③で、両方とも実際に有効でした。
①ラジオ体操が始まった時間がわかる写真を毎日撮影(時計がベスト)
②ラジオ体操が始まる時間に、自分の私用のアドレスにメールを送る
③ラジオ体操の始まりと終わりの時間を分単位でメモ
メモでいいの?と思われるかもしれませんが、”分単位”で書いてあれば十分証拠として認められます。(5分単位ではなく絶対に1分単位です!!)
また、通報の仕方には「情報提供(匿名)」「申告(実名)」の2種類があります。申告の場合は必ず身バレしますので、その会社でしばらく務める場合は必ず情報提供にしてください。そのあたりは、労基の人に聞けばわかると思います。
まとめ、要約
・ラジオ体操には多くのメリットがあるが、強制されるのはおかしい
・精神的なデメリット、嫌悪感を感じる人も多い
・始業時間前に強制されている場合は労基に通報
ラジオ体操は軽い全身運動としては最高です。きちんと納得したうえで参加するならメリットしかないと思います。しかし、強制されていると受け取ると感じているのであれば、マイナスにもなり得ます。
朝のラジオ体操に納得できず、「やりたくない」という意思表示ができない環境では、メンタル的な悪影響も大きいです。仕事における理不尽の強制は、働くモチベーションそのものに関わってきますので、はっきりいって”いらない”と言えます。
それが始業時間前に行われるのであれば、労基という国家権力で対抗しましょう。
肉体労働系の仕事以外でラジオ体操を強制する会社は少ないので、もし本当に納得いかなく嫌であれば、転職を考えてみてもいいかもしれません。